自分の人生を支配する為の、52個の思考ツール Think clearly(ロルフ・ドベリ著) 

自分の人生を支配する為のツールがThink clearly

自分の人生を支配する為の、役に立つ思考ツール

オレは普段は自己啓発分野の本は読まない。だけども新聞広告で、この本を知り氣になって仕方がなかった。書店で見つけてパラパラとページをめくる。すると目に飛び込んできたのは、文章の書き方の章だった。「文章は書いている時こそアイディアが浮かんでくるものだ」、と書いてあった。

普段から文章を書き散らしている身としては、この一文に共鳴してしまった。そうなんだよ、文章は書いている時こそ、何かが浮かんでくるんだよ。この手の本は作者の思考に共鳴出来るかどうかが、とても大事だと思う。

そういった訳で、普段は買わないジャンルの本を買ってしまった。この本に収められている52章の文は、著者曰く「あなたの日常にとても役立つ思考のツール」として書かれていると云う。たいがいの人が陥りがちな、ものの考え方、とらえ方に代わる、人生を変えてしまうかもしれない52個の思考のツールが納められている。

正直読む前は、それほど期待していなかった。だが読み進めるうちに、自分が知らず知らずのうちに、人生を幸せから遠ざける思考法に陥っている事に気がつかされる。

あなたの人生を縛りつける鋼鉄の檻を破る52のツール

ここに納められている思考のツールはかなり強力だ。人によっては拒絶反応を示す事もあると思う。なんと云っても人は、自分の考えに固執するものなのだ。なので普段慣れ親しんでいる自分のものの考え方を変えると云うのは、抵抗を感じる人もいるはずだ。

読み進めていて感じるのは、この本そのものがあなたを雁字搦めに縛りつける鋼鉄の檻を解くツールになっている。人は誰もが、生まれてきてから身につけてきた、そして親から受け継いできたものの考え方がある。それが、実はあなたそのものを縛りつけている。

この本はそうしたものの考え方を解除し、あなたを思考の鋼鉄の檻から開放する。羨み、嫉妬、憧れ、そんなものはあなたを縛りつける鋼鉄の檻なのだ。

人が知らず知らずのうちに閉じこめられている、そういった鋼鉄の檻から開放するのが、この本Think Clearlyだ。あなたは、これまで親しんできた考え方(という名の自分を閉じこめる檻)から開放され、本当の自分の人生の支配者になれるかもしれない。

本当に大事な事は、あなたがあなたの人生を生きる事なのだ。他人の期待に沿った生き方では無く。

人生で一番大事な事は、心の平静さ

最後まで読み進めると、人生にとってもっとも大事な事は、心の平静だとこの著者は説く。ビジネス書だと思って読み進めてゆくと、宗教書の様な結論に驚く人もいるだろう。だけども大事な事は自分の人生を生きる事。誰にも支配されない自分の人生を生きる事。それが実現出来れば、心は平静になると云うのは間違いの無い事だろうと思う。スイス人が書いた本なのだが、仏教書を読んだような氣になるのも面白い所だ。

この本はあなたの心を取り囲む、黒い鋼鉄の檻を取り払う。
オレが特に感銘を受けた章の見出しと、言葉を抜き出してみようと思う。これらの言葉を見て、何か感じる事のある人は、是非この本を手にして欲しい。

・第1章 考えるより、行動しよう
 “考えるだけのほうがラク、行動する方が難しい”
第1章の冒頭に、「文章は考えている時間じゃなく、書いている最中にアイディアが浮かぶ」と云うこの言葉が決め手となってこの本を買う事にした。自分でもこれは日々実感している。書き始めてからアイディアが浮かび、もやもやとした考えがはっきりとした形になるのだ。

・第5章 簡単に頼みごとに応じるのはやめよう
 “あなたに何かを頼もうとする人たちはみんな、あなたから時間や自由な意思を奪おうとしているようなものだ。” 古代ローマの哲学者セネカの言葉

・第8章 必要なテクノロジー以外は持たない
“それは「本当に便利なのか」を厳密に考える”
身の回りにもいっぱいいるよね、最新のテクノロジー馬鹿。本人は便利なつもりなんだろうが、ガジェットの奴隷になっている奴。

・第10章 謙虚さを心がけよう
“すでにあなたは、途方もない幸運に恵まれている”
成功云々は本人の努力では無く、その時代にその場所に生まれた事こそ、成功した理由だと云う著者の洞察にとても驚く。たまたまその時代に生まれたから成功したんだなんて、誰も思わないだろう。

・第11章 自分の感情に従うのはやめよう
“「感情」は、飛んで来ては去っていく鳥のようなもの”

・第14章 買い物は控えめにしよう
“「モノ」の喜びは消えるが、「経験」の喜びは残る

・第21章 目標を立てよう
“もっとも集中すべきなのは、あなた自身の人生”人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標を達成できたかどうかで決まるのである。”

・第28章 自分を守ろう
“自分の中にある「信念」を外に向かって発信しなければ、あなたは次第に、操り人形になっていく。ほかの人々の目的に合わせて都合よく動かされるようになり、遅かれ早かれ自分は消えてしまう”
いるよね、口にする言葉全て、新聞雑誌の受け売りばかりの人。今や人間の頭もクラウドサービスの時代なんだ。

・第34章 解決するよりも、予防をしよう
“人生の困難は「解決する」より「避ける」ほうが早い”

・第35章 世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう
“個人でできる事には限界がある”
エセ人道主義者の言葉に惑わされて、世界の危機を日々憂いても、結局は何の役にも立たない。

・第36章 注意の向けかたを考えよう
“情報は私たちに何かを与えているのではなく、逆に私たちから何かを盗んでいる。”

・第38章 自分の頭で考えよう
“自分の意見は、周りの影響のもとに出来ている”
居酒屋で飲んでいるオヤジが、えらそうに政治を語っているのはこの事の典型だ。居酒屋でうだうだ言っても、世界は何も変わりゃしない。それはFacebookやTwitterの世界も同じ事。
「●●がそう言っていたから」なんて言う、ネトウヨの様に人の意見だけを鵜呑みにして生きている様な人たちは、だんだんと自分が失われてくる。気がつけば脳なしの、誰かの操り人形の木偶人形になってしまう。自分の頭で考えると云う行為はとても大事なんだ。

・第39章 「心の引き算」をしよう
“目を閉じて、あなたが右手を失ったと想像してみよう。”
右手を失ったと思えば、今ちゃんと右腕がある事の有難さが分かるだろう。

・第50章 世界を変えるという幻想を捨てよう
“世界をつくった「人物」などいない”
たまたまその人がその時にいただけ。坂本龍馬が明治維新の立役者だ? あんなのが居なくても、他の誰かが同じ事(外国のスパイ、武器商人、売国)をしていただけの事。

・第51章 自分の人生に集中しよう
“技術が発明者を発見するのであって、発明者が技術を発見するのではない”
“発見されるべきものはすべて、いつか誰かの手で発見されるものだから。”
“もっとも集中すべきなのは、あなた自身の人生”

この本は使える。ただ上手く使えるかどうかは自分次第だ。

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この本の隠れた主題は、あなたの人生を自分のコントロール下に置くだ。自由とは、自分の人生を取り戻す事だ。人は生まれ落ちた瞬間から、自分の周囲に鋼鉄の檻が徐々に張り巡らされて、終いには身動きできなくなってしまう。牢獄の人生のままあなたの一生を終えていいのか? 人生を後悔で終えていいのか?

人によって感銘を受ける言葉は違うと思う。オレはこれらの言葉に特に強く感銘を受けた。あなたもこの本を読んで、知らず知らずのうちに自分を取り囲んでしまった、鋼鉄の檻から抜け出して欲しいと思う。


ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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