空の色が濃い千葉、空の色が薄い知床 2023年正月雑感

屈斜路湖 上空
左に見える湖は屈斜路湖。

2023年の正月は妻の実家の千葉市で迎えた

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

2023年正月。その日は朝から快晴だった。見上げる千葉の空の色はとても濃い青色をしていた。見事なくらいに雲1つない、紺碧の晴れ空が広がっていた。

千葉の青空に感心したというのも、昨年末の知床は変な天気がしばらく続いたからだ。数日間雨、みぞれが続き、積雪はほとんどゼロになってしまった。全く12月の末の景色じゃない。が、大晦日に近付いてやっと雪が降り始めた。

それで大晦日になってようやっといつもの真冬の景色に戻った。その白い冬景色に目がなれたところで、再び全く雪の無い千葉に行く事になる。千葉市内は町中何処を見ても、雪のかけら1つ見当たらない。道路は乾き、スニーカーで大晦日の千葉市街を軽快にすたすたと歩く。

初詣では実家から歩いて20分ほどの場所にある千葉寺に出かけた。我が知床・斜里町にはオホーツク管内で一番古い斜里神社がある。斜里神社は230年前に創祀された。それに対して千葉寺は1300年も前に建立されたものだ。圧倒的な古さにとても驚く。1300年前のオホーツクはいったいどんなところだったのだろう。正式な歴史には記録がない。実は隠された別の歴史が有ったのではないか? なんて想像している。

「騒音の海鳴り」が鳴り響く

正月の千葉寺
正月の千葉寺。混雑していなくてとても心地よい場所。空の色が濃い

知床と斜里の違いは街の景色だけじゃない。何より驚くのは常に町中が騒音に溢れていることだ。実家は古い建物なので、外の音が良く聞こえる。家に滞在している間中、ずっと「ゴーーーーーっ」と言うような響きが遠くから聞こえてくる。これは町中の車の走行音などが合わさって響く音だ。これはまるで海岸に荒れ狂う波が立てる潮騒のようにも聞こえる。その都会の潮騒は24時間途切れることなく空に響き渡っている。そして頭上を飛ぶ飛行機の音。常に騒音が町中にあふれている。

もちろん騒音はそれだけじゃない。救急車のサイレンが一日中街に鳴り響いている。知床でも去年から一日に3〜4度は救急車のサイレンが響くのが普通になってしまった。たった1万人の小さな町なのに。

それが千葉市に来ると1時間に1度以上救急車がサイレンを鳴らして出動している。早朝から深夜までサイレンの音が鳴り止まないと言っても嘘じゃない。ときには救急車が通りすぎたと思いきや、すぐさま別の救急車が通過するぐらいにサイレン音が連続している。

千葉市中央区に滞在したのはわずか3日間の間。その間、常に車の騒音と救急車のサイレンの音が響き渡っていた。絶えず鳴り響いているので、終いには気にもならなくなったのだが、無意識レベルでは神経を刺激したようだ。救急車のサイレン音には緊張をもたらすものがある。千葉滞在中は、そんな事で心休まる時がなかった。ぐったりと疲れた自分がそこにいた。

正直な話、今日本では異常事態が発生してちゃくちゃくと悪化している。だけれども毎日その状況に慣れてしまった人々は、それが異常だとはもう思わなくなってしまっている。

道東上空いらっしゃい

空が濃い千葉 薄い知床

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正月の斜里岳
実に知床らしいこの景色

あっという間の正月の千葉滞在が終わり、3日の夜には斜里に帰ってきた。たった数日間の都会生活。それでも騒音の中での暮らしにすぐに慣れてしまった。なので今度は自宅に帰り着くと、「なんてここは静かなんだろう」と、あまりの静かさに驚く自分がいた。とにかく無音。

そりゃあ高断熱窓ガラスのため外部の音は室内にはあまり聞こえてこない。だが室外に行ってもその静けさは変わらないのだ。遠くで本物の海鳴りがとどろいているのが聞こえるだけだ。救急車のサイレンが途切れ無く鳴り響いているなんてこともない。車の騒音が作る「偽物の海鳴り」は心をいらだたせるが、本物の海鳴りはなぜか心落ち着くものがある。

斜里に帰ってきた翌朝、久しぶりに快晴の知床の青空を見た。その日は朝から快晴。そして空の色の違いに驚いた。斜里の空の色はとても薄い。希薄な空の青さ。緯度が高いからか、太陽が千葉よりも低いのだろう。日の光は弱々しく、そして空の色も弱々しい。青というよりも白けた水色の空なのだ。その空の白っぽさが、より1層寒々しく感じる。これぞ北の冬の空の色なのだ。

正月の斜里の空
寒々しい知床の空

1月4日朝7時。外気温はマイナス17度。空の色は限りなく白に近い水色。空も凍れる知床に帰ってきて静寂に安堵した。



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