ゴーストタウンと思っていた知床の街・斜里が、人であふれ返る朝 それは除雪

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吹雪いた後の斜里の朝の景色

ゴーストタウンじゃなかった斜里

以前オレは、犬と散歩していた時の雑感を記事にした。朝の7時台に歩いているのに、誰一人出くわすものがいない事を書いた。この街はまるでゴーストタウンのようだと。

実際のところ犬と散歩していて、誰にも会わない方が気楽で良い。下手に同じ人と毎日顔をあわせるようになり、いちいち挨拶する関係になるのは面倒だ。

これはイギリス人も同じなんだそうだ。「Watching the English: The Hidden Rules of English Behaviour」と云う本によると、イギリス人は毎日出くわす同じ顔ぶれの人達とは目を合せず、挨拶するような関係も極力避けると云う事が書いてあった。1度挨拶しようものなら、そういう関係が固定してしまう事の煩わしさ故らしい。ろくに知りもしない人と、いちいちそういう挨拶をするのは確かに面倒な事だ。オレもその氣持ちがよくわかる。

雪が降った後の朝は人だらけ

除雪機で除雪する 冬の斜里
雪が降れば、あちこちに除雪機が現われる北の街

そんな人気のない街を犬と一緒に歩いて楽しんでいる日々なのだが、唯一例外の日がある。それは雪が降ったあとの朝だ。いつもどおりの散歩コースを犬と歩む。すると100m程手前で爺さんが雪かきをしている。いちいち挨拶するのも面倒に思い、オレはその手前を左折する。

するとその曲がった先の道の両側には、さらに多数の爺さんがスコップ、ママさんダンプを手に、一生懸命除雪しているではないか! まるでオレを待ちかまえるように。オレはもう諦めて、その爺さんの蠢く中を犬と早足で通り抜けてゆく。


「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」。


おはようございますの大安売りだ。議員候補者の駅前街頭挨拶みたいなもんだ。たぶん10日分ぐらいの挨拶を、この通りでしてしまった。

普段は人気のないこの住宅街だが、やっぱりこんなにも沢山の人が住んでいたんだ。普段は人気が無いが、実は年寄りは家の中に閉じこもって通りがかる人を細かくチェックしているに違いない。そういえば、よく見知らぬ人に「いつもワンちゃんと散歩しているね♥」なんてオレは言われるのだ。この街はーストタウンじゃなく、人が居る事にちょっとした安堵と、オレは煩わしさを感じるのだ。

そんな訳で、雪の降った後は、人がワシャワシャと通りに湧き出る。まるで砂糖を地面にこぼしたあとの蟻ん子の様にワシャワシャと。

年寄りは雪かきに熱心だ

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除雪する斜里のデストロイヤー
北海道の定番、デストロイヤー帽

それにしても、どうして爺さんはこんなにも雪かきに一生懸命なんだろうと思う。どうせあと1ヶ月もすれば消えてしまう雪だ。まるで家の前は1cmでも雪でデコボコしてはいけないと云う、義務でもあるかのようだ。「雪が降れば、家の前は徹底的に除雪しなければならない」。きっと爺さん達の集合的無意識にすり込まれているんだろう。

ここまでキレイに除雪する理由に、進み過ぎた車社会というのもその根底にあるんじゃないのかなと思う。確かにキレイに雪かきしておけば、車の出入りはスムーズにすむ。オレみたいに車なんかただの移動手段としてしか見ていない者にとっては、そんな事はどうでも良い事だ。動きゃ良いんだ、車なんて。だから除雪もいい加減だ。

斜里では重機で除雪はあたりまえ
この街では、たかが除雪で、こんな機械が平気で出てくる。しかも個人所有。

だけどもそういった爺さん方にとっては、全ては車の為なんだろう。キレイに家の玄関前、駐車スペース、道路を除雪して、車の出し入れに支障が無いようにするんだ。そういう爺さんにとっては、車が主人なんだきっと。車なんか持つから、車の為に余計なエネルギーを一生懸命に使わなければならなくなる。

そう考えると物を持つと云う事は、物に自分が支配されるって言う事なんだと思う。物を所有しているはずが、物に所有されてしまうんだ。自分を取り戻すには、どんどん物なんか捨てて身軽にならないとね。自分を取り戻すんだ! それじゃ出家者になってしまうって? オレにはゴータマ・ブッダの云う事が腑に落ちるよ。

ママさんダンプにいたずらをする犬
我が家では除雪作業をしていると、こいつが邪魔をしてくる。だから除雪作業は殆どしない ←へ理屈

たかが雪が降っただけなのだが、そんな事を考えながら、犬と一緒に雪煙を上げ、雪を蹴散らして散歩する我々なのであった。

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ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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