1羽生き延びたニワトリに気功治療
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1人生き延びたニワトリのパー子ちゃん
我が家では鶏を飼っている事は以前の投稿で書いた。その大事に飼っていた鶏だが、今年の6月に、うかつにもキツネの襲撃を受けてしまい一羽殺されてしまった。殺されたのはハト子と名付けていた、とりわけかわいがっていた美鶏さんだった。
2羽とも仲良く9歳を迎えるはずだったのに、残念な事にパー子と名付けた1羽だけの誕生日になってしまった。パー子だけは救い出せたとは云え、背中に深手を負ってしまった。剥き出しになったそのキズは、白身の肉で、まさに鶏肉そのものだった。
救えたとはいえ、背中に重傷を負ってしまったパー子ちゃん。パー子ちゃんは傷口が痛むだろうし、精神的にも相当なショックを受けたろうと思う。パー子ちゃんは保護したケージの中で、しばらく蹲ったままで殆ど動かない日が何日も続いた。看病するものとしては気が気でなかった。
パー子の旧名はピー子
パー子ちゃんは、もともとはピー子と呼んでいたニワトリだった。雛の時から他の兄姉と異なり、ちょっと奇矯な行動をするニワトリだった。その動きを見ていると、頭のネジが緩みまくっているとしか思えない。
そんな事から、自然と何時の日にかパー子ちゃんと呼ばれるようになってしまった。パー子はパーなのだが、それでも鶏一倍繊細な心の持ち主なので、キツネに襲われた体の怪我はもちろんだが、心に負ったキズも心配していた。これ以上頭がおかしくなったらどうしよう?
そんなパー子ちゃんだけども、その後無事に怪我は回復して、一匹だけの生活にも慣れてくれた。といってずーっと家の中でケージで飼っていたのでは運動不足になる。だから早く小屋の生活に戻したい所だ。だが殺戮現場の小屋にいきなり戻すのでは、精神的にダメージを負っているニワトリなので不安があった。そんな事もあり、まずは試しに金網で囲っている庭に戻してみる事にした。
キズが癒えるまでの数週間はずっと昼も夜も家の中のケージで過ごしたパー子ちゃん。驚異の回復力で怪我が治り、庭に出す準備は整った。ところが庭に出してみると、パー子はまるでフリーズしたように、隅っこの草むらの陰にずっと蹲ったままだ。
しかもクワークワーと低い奇妙な声で鳴きっ放し。どうやら心のキズは、そうすぐには癒えないようだ。そんな事もあり、当分の間パー子を庭に出している時間は、女房がニワトリの庭に隣接する野菜畑で、畑仕事をする事にした。そうやっていつも側に人間がいれば、安心だろうと云う事で。
そんな風にしてパー子を少しづつ外の生活に慣らしてみたものの、小屋の中にはなかなか入らない。ニワトリの庭と鶏小屋の間には小さな出入り口が設けられて、ニワトリたちが自由に出入り出来るようにしていた。
パー子はようやっと庭にいる事に慣れたものの、小屋には入ろうとしない。パー子がこれ以上パーになっては困るので、強制的に小屋になんか入れられない。だから、もう大丈夫なんだと自分で認識するまで気長に待つ事にした。
パー子ようやく小屋に入れるようになる
パー子が久しぶりに小屋の中に入ってくれたのは、事件から1ヶ月半も経った頃。最初鶏小屋に入った時は、出入り口付近にずっと立ったまま。すぐにでも外に出られる体勢で、そこでボーッとしていた。しだいにもう安全だと云う事をだんだんと認識して、いまでは躊躇無く鶏小屋に入ってくれるようになった。そんなふうになるまでに事件から2ヶ月近い時間が必要だった。
あの事件からと云うもの、パー子ちゃんが夜寝るのは我が家に置いたケージの中。寂しい小屋で、独りぼっちで夜を過ごさせるのはとてもかわいそうだ。キツネに襲われたのは夜と云う事もある。朝パー子を鶏小屋に入れて、夕方家に連れ帰ると云う生活になってしまった。
夕方外に行くと、パー子は鶏庭にポーッと立っていて、オレや女房がお迎えに来るのを待っている。時折まだ帰りたくない時は、そんなオレの姿を見ると、鶏小屋の中にダッシュで駆け込んでゆく。でも帰りたい時は、そのまま黙ってオレを待っている。
ニワトリはとても繊細な生き物で、友達が亡くなると悲嘆の為に2~3ヶ月後ぐらいに突然死んでしまう事を何度も見てきた。パー子は仲良しのハト子をキツネに殺されて、早4ヶ月が過ぎた。どうやらもうパー子は大丈夫だと思って良いようだ。というのもパー子は気功治療を受けていたのだ。
ニワトリも気功治療を受ける
先日の週末、夫婦でオホーツクのとある町で、気功治療を受けに行った。昨年春に女房の知人からその先生を紹介され、それから2〜3ヶ月に1度ぐらい、夫婦でお世話になっている。
いざ支払の段になると女房は言う、「すみません。先日の遠隔治療の代金がまだでしたので、今日お支払いします。いくらだったでしょうか?」と。はて? 女房が遠隔治療を受けたなんて話は聞いていないぞ?
「あの時先生に遠隔治療してもらったニワトリですけど、おかげですっかり元気になりました。ありがとうございます。」
そうパー子ちゃんはキツネに襲われた後、女房が電話で先生にお願いして、気功の遠隔治療を受けていたのだ。
ただ残念な事に、いくら気功治療を受けたとは云え、パー子がピー子にもどる事だけはなかった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ