知床博物館のオオワシのロコちゃん、保護飼育生活50年に

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知床博物館のオオワシのロコちゃん

オオワシのカナヤマよ安らかに

2月に知床博物館の裏にある鳥獣保護舎に立ち寄ると、オオワシとオジロワシが各1羽に減っていた。ちょっと前まではオオワシは2羽いたのだ。

博物館の人に聞くと、オオワシが1羽亡くなってしまったという。その時各々のワシに名前が付けられていた事を知った。亡くなったワシはカナヤマ(オス。1998年標津町の金山川近くで保護)と名付けられていた。カナヤマは、なんと博物館の保護舎に来て35年もの長期間飼育されていたという事がわかった。オオワシは本当に長寿なんだな。

驚くのはそれだけじゃなかった。

オオワシのケンならぬロコ

知床博物館のオオワシのロコ

そんな事で今飼育されているワシたちについて聞いてみた。やはりというか、当然というか、なんと彼らも非常に長寿だと言うことが解った。それどころかその1羽は、なんとあたしが子供の時に保護になった鳥だったのだ。

その最長寿のオオワシの名前はロコ(メス)。昭和49年(1974年)12月から飼育されている。保護されて今年で49年だ。調べて見るとオオワシの国内最長飼育記録は、札幌の円山動物園のもので、51年という記録が残っている。あともう少しでロコはこの記録を抜く事になるのだ。

この鳥獣保護舎はとても好きな場所なので、犬のカーシャが生きていた時はここまでよく散歩に来ていた。ここ来るたびに「こんにちは! よう、元気にしているか?」
とワシたちに話しかけていた。

まさかその中の1羽が、子供の時に既に出会っていたあのオオワシだとは、今に至るまで全く知らなかった。

旧図書館に併設されていた鳥獣保護舎

知床博物館の鳥獣保護舎
保護飼育舎

斜里町立知床博物館が開設されたのは1978年だった。それより前はこうした博物館的収蔵品は、旧図書館の2階に設けられた民俗資料収蔵館(だったかな?)に納められていた。そしてその旧図書館の建物の西に檻が設けられていて、怪我をしてもう自然には返す事の出来ないオオワシやオジロワシが保護飼育されていた。

当時小学校の1、2年生のあたしは、本も大好きだが、もちろんこうした野生動物も大好きだった。なので図書館に行くたびに、ワシたちに挨拶していたのだ。まさか、幼少のみぎりに「こんにちは!」と話しかけていたまさに同じ鳥が、今も目の前にいたとは、今年になるまで全く気がついていなかった。

保護舎はその後、知床博物館が開館とともに、博物館裏に移設された。それ以来ロコはずーっとその檻の中で暮らしていたのだ。あたしは気がついていなかったが、ロコはその時から「あ、このクソボンズ、又来たぞ!」 と思っていたに違いない。

それどころか今じゃ「あのクソボンズ、すっかりくたびれたおっさんになったな」と毒づいているに違いない。

ひょっとしたらロコちゃんは同級生なのかも?

ロコちゃんが保護された時に何歳だったのかは解らない。はっきりしているのは、ロコは昭和49年(1974年)12月2日、ウトロの海岸で動けなくなっていてる所を保護された。なのでもう50歳を超える年齢だという事だけは間違いない。ひょっとするとあたしと同い年かもしれないのだ。そんな事を考えると、この幼なじみのオオワシにますます親しみを覚える。

それにしてもオジロワシ、オオワシは長寿とは聞いていたが、こんなにも長生きとは全く知らなかった。

最近ロコちゃんは一番低い止まり木に留まっている事が多く見られる。ちょっと前までは高いところに止まっていたというのに。もうつばさが衰えてこの高さまで登るのもやっとなのだろう。

でもロコちゃん、まだまだ長生きしてね。おじさんもすっかりくたびれたが、まだまだ頑張るよ。

オジロワシのユウベツ

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知床博物館のオジロワシのユウベツ

ロコちゃんの事ばかり書いてきたが、現在もう1羽オジロワシも保護飼育されている。オジロワシの名前はユウベツ(メス)。平成4年(1992年)12月28日に左翼に怪我を負って保護され、知床博物館にやって来た。保護された地域が湧別町だからユウベツと名付けられた。今年で31年目になった。

ユウベツも長生きしてね。

※2023年06月04日(日)追記

知床博物館の職員から連絡がありました。ロコちゃんは5月25日に亡くなってしまいました。食欲も無くなり、静かに息を引き取っていったそうです。同級生が亡くなったのを聞いたみたいで、とても残念でなりません。ロコちゃん、今までずーっとありがとう。合掌


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