毎年4月の下旬に知床に渡ってくるオオジシギ

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オオジシギは知床に春を告げる鳥

電線に止まるオオジシギ
この写真じゃ何が何だか分からないね

毎年春になると密かに楽しみにしていることがある。それはオオジシギがこの地に飛来してくること。オオジシギとは渡り鳥で、毎年4月の後半に知床までやって来る。

彼らの鳴き声を初めて聞くのは、毎年決まって4月20日前後だ。どんなに寒い春でも殆ど狂いがない。オオジシギの鳴き声が空に響いているのを初めて耳にした時、春が来たととオレは思う。オレにとってオオジシギは春を告げる鳥なのだ。

オオジシギは水鳥のシギの仲間なんだが、繁殖期間中は水辺にはいない。主に草地で卵を暖め雛を育てる。春まだ寒い時期に、なんと1000kmも遥か彼方のオーストラリアから、こんな知床にまで渡ってきて繁殖をするのだ。そして再び秋にはオーストラリアに渡り越冬する(と言われている。がオレは彼らについて行ってないからホントかどうかは分からない)。

オオジシギの大きさは30cmぐらい。鳩とほぼ同じ大きさの鳥だ。全身が暗褐色、黒褐色の斑模様に覆われていて、実に地味な身なりをしている。草むらにいたらこの模様がカモフラージュになって、人間の目には絶対に見つけられないと思う。

そして見た目の1番の特徴はその長いくちばし。繁殖期は草原にいるものの、そのくちばしを見れば本来は水鳥だということがよくわかる。

とっても個性的なオオジシギの鳴き声

風が吹いていて、ちょっとノイズが多いけども、雰囲気は伝わると思う。

そんな地味なオオジシギがオレは好きで堪らない。というのは奴らの鳴き声が、とても個性的で大好きなのだ。オレは密かに野鳥界のパンクロッカーと呼んでいる。ジョン・ライドリと呼んであげても良い。

彼らはまず飛行している時、単調にジップ、ジップ、ジップ、ジップ、ジップ、ジップ、ジップ、ジップ、ジップ、と鳴いている。やがてジップ、ジップに飽きてくるのか突然「ジュビャーく、ジュビャーく、ジュビャーく、ズっズっズっズっ、ザッヅザッヅザッヅザッヅザッザ−(最後のザッヅザッザ−は羽根で風を切る音)と、とても鳥とは思えない凄い音を立てて急降下を繰り返す。

オオジシギのこの雄叫びを聞け!

オレが子どものころ初めてオオジシギの鳴き声を聞いた時には、いったい何がこんな音を出しているのだろうと不思議に思い、そして結構真剣に恐れた。やがて知床博物館に通うようになり、その正体が分かった。そしてその地味ながら愛らしい姿に惹かれていったのだ。

リンク:オオジシギ

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うちの近所には広大な草地が広がっている

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オオジシギが営巣する草地
うちの近所の草地 もともとは牧草畑だったと思う

うちの近所には東京ドームで言えば5個分ぐらいの空き地・草地がある(いいかげんなオレの目測による)。そこがオオジシギにはちょうど良い営巣場所のようで、毎年数組が営巣している。オレが子どもの頃はその空き地面積は、今の3倍程はあったはずだから、その頃はもっと沢山のオオジシギがやってきていた。

今はゼニゲバクソ企業がメガソーラー施設を造ってしまい、随分と草地の面積が減ってしまった。装置が増えて草地が減ったので、煽りを食ってオオジシギの数も随分と少なくなってしまったわけだ。

オオジシギのいる草地
別のアングルから

そんな草地の脇を犬と散歩していると、時たま電信柱の上にオオジシギが止まり、ジップ♫ジップ♫ジップ♫ジップ♫ジップ♫ジップ♫と軽快に鳴いているのに出くわす。

その姿を捕らえたいと今朝はiPodを持参して犬の散歩に出掛けた。やはり今日も電線の絶縁体の上でジップ、ジップ鳴いていたオオジシギに出くわした。辺り一面に軽快なジップ’♫ジップ’♫ジップ’♫ジップ’♫という鳴き声が早朝の空に響く。

暫くするとそのオオジシギは、ジップ、ジップと鳴きながら飛び立ち、高速で急上昇、そしてザザザザザザザと大きな羽音をあげて高速で急降下する。何度見ても飽きない姿だ。オレはこの鳥こそ、斜里町の鳥(実際はオジロワシ)にすべきだと子どものころから思っている。

オオジシギ。別名カミナリシギ。準絶滅危惧種でもある。

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ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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