カーシャの利権 愛犬カーシャの思い出7 

鍋の底に残った麺を食べるのは犬の神聖な利権

なべ底に残る麺は犬の利権

うどんやパスタなどを茹でると、どうしても鍋の底に短い麺が残ってしまう。食後鍋を洗っていると、なべ底からふやけてフニャフニャの麺が出てきた時は、犬に食べさせていた。

その習慣は先代犬のカララから始まった。そんな事を繰り返しているうちに、いつしか麺ゆで用の銀色の大鍋を見ると、カララがあたしの足下にやって来て待つようになった。

最初はその事が分からなかった。食後の後片づけをしていると、カララが足下に来て蹲っている。ちょっと邪魔だ。足で押しやっても、頑固者のカララはてこでも動かない。何でここにいるんだと不思議に思っていた。

そして大鍋を洗う段になると、カララはむくっと起き上がり、行儀よくお座りする。いつしかカララは大鍋=麺が貰えると覚えてしまったのだ。そうなるまでに2年ほどの時間がかかった。

わずか2ヵ月で鍋=麺の等式を覚えたカーシャ

なべ底に残る麺は犬の利権
この鍋がカーシャの利権の鍋です

ところがカーシャは我が家にやって来てたった2ヵ月程で、カララと同じ動作をするようになった。あたしが大鍋を洗っているとカーシャが足下にやってきて催促する。ちょこんとあたしの足を鼻でつっつく。「ん?」何だ? どうしたんだと、最初は思った。

台所の犬
鍋を見ると張り付き捜査が始まる!

でもすぐに気がついた。カーシャはなべ底の麺を待っているんだ、と。カララの経験があるので、すぐにピーンと来たのだ。だけども、我が家にやって来てわずか2ヵ月でそのことを覚えてしまうとは。カーシャの呑み込みの早さには驚いた。

ひょっとしたら気のせいか? と思ったものの、同じ大鍋で煮込み料理を作った時も、やはりカーシャはやってきて待っていた。この銀色の大鍋が登場した時には、麺が貰えると早々に覚えてしまったのだ。

カララは頑固者だったが、カーシャは諦めの悪い犬だった。銀色の大鍋を見ると、必ず麺が貰えると信じ切っていた。その鍋を見ると、いつまでも台所に張り付いていて邪魔でしょうがなかった。

「貰えるんでしょ! 貰えるんでしょ!」と、目で訴えかけてくる。しつこい犬だった。

くれくれと目で訴える犬
何か貰えるまで、この目でじーっと見つめられる

そんな事から、この銀色の大鍋を使う時は要注意だった。もちろん麺をゆでた時は貰えるまで諦めない。カーシャは犬だから臭いに敏感だ。だから麺をゆでれば、その臭いで貰えると信じ切っている。パスタを茹でて、物の見事に綺麗にさらってしまい鍋の底に何も残っていなければ、後片づけが終ってもしつこくつきまとってくるから始末に負えない。

なので終いには、麺をゆでた歳には、必ずカーシャの利権用として数本の麺を別に分けて取っておくようになってしまった。

カーシャの取り分の麺を頂く様子

その他カーシャの利権

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納豆と犬
納豆の容器を見て、喜びのあまりブルースを唸るカーシャ
ヨーグルトと犬

麺以外にもカーシャの利権は沢山あった。納豆の容器をなめる権利、ヨーグルトの容器をなめる権利、肉や魚料理の皿に残った油をなめる権利、煮物などをした歳のなべ底を舐める権利等々。これらは全てカーシャの利権なので、決して疎かにしてはいけないのだ。


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