FM誌って覚えているだろうか? 80年代から90年代のFM fanが大量に見つかる

大量に実家から出てきたFM誌のFM fan

むかし、むかし、FM誌と呼ばれる雑誌がありました

FM誌は1980年代に全盛を極めていた。斜里みたいな日本の辺境ですら、きっちり隔週土曜日の書店には4誌のFM誌が置かれていた。しかも平積みで。FM fan、週間FM、FMレコパル、FM station、各誌少なくとも10冊は並べられていたと思う。当時のFMリスナー人口というのはかなりの数だったのだろう。

オレは10歳ぐらいから音楽に目覚めて、しかも直ぐに洋楽に興味が移っていった。その当時FMラジオは洋楽を聴く貴重なソースだったのだ。ただ漠然と受け身でFMラジオを聴くだけではなく、事前にどんなアーティストの曲が流れるのか当然知りたくなった。なのでFM誌を講読するようになるのは自然な流れだった。

間違ってこのブログにたどり着いた若い人達はFM誌って何? って思うだろう。FM誌とは、一言で言えばFM放送の番組表の雑誌。タイムテーブルには、どの番組でどのアーティストの何て曲がかかるか、そして演奏時間まで詳細に書いてあるのだ。それを見てエアチェックに勤しんでいたのだ。

番組表だけじゃ200ページぐらいの誌面を埋められないので、アーティストのインタビューや、レコードレビュー、オーディオレビュー、全英・全米・日本のヒット・チャートなんかも載っている。FM誌とは総合音楽情報誌とも言えなくもない。FM誌も、エアチェック(ラジオを録音する事)も、もう今じゃ死語だね。

自然とFM fanだけ買うようになる

FM誌を買い始めた当初は、各誌をチェックし氣にいったものを買っていた。そんな風にして買っていたのに、自然とFM fanばかり選択していた。週間FMは歌謡曲の情報が多すぎだったし、FMレコパルはなんだかつまらない、FM stationは軽薄だ。

それに対して、FM fanはクラシックの記事も多いが、いろんなジャンルの音楽がバランスよく取り上げられている。そして記事も読みごたえがあった。長岡鉄男さんのオーディオのコラムも面白く、とても参考になった。つい先日バックロードホーン型のスピーカーを組み立てたのも長岡さんの影響だ。

発売されたばかりのFM fanの番組表をじっくりと眺め回し、聞きたいアーティストの曲がかからないか、それこそAlien sex fiendのアルバムジャケットの様な目をして、紙面をなめ回していたよ。蛍光ペンを左手に持って。

40年前のFM誌が大量に出土する!

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そんなFM誌だが今ではどれもこれも廃刊になってしまい、もう書店で見かける事は無くなった。今は氣になった音楽があればネットで調べれば、直ぐに聴く事の出来る時代になってしまった。逆に検索から外れてしまえば存在しない事になってしまう。なんだかビッグブラザーが支配する世界に、知らず知らずのうちにオレ達は住んでしまっていたんだな。

そんな死滅してしまったFM誌が、実家の屋根裏部屋から大量に出てきた。一番古いものは1981年で、1990年頃までの約10年間分が保存状態も良く出てきた。当初は東版だったのが、FM北海道の開局に伴い、北海道版に切り変わったのが面白い。

それと、FM fanと一緒にロッキンオンも出てきた。「人糞喰ってレイプマン」等くだらない投稿ばかりの、この雑誌。当時はそんなクソ投稿を面白がって読んでいたけれども、自己顕示欲の塊の駄文ばかりで、今じゃ読む気すらおきない。それに対してFM fanはというと、各種の情報がコンパクトにまとめられ、特集は今も読みごたえのあるものばかり。資料として非常に役立つのだ。

全英・全米・日本のヒットチャートは、今見るとこんな曲がトップ10入りしていたのか! と新鮮に驚く。そして一番面白いのはやはり番組表。あちこちにラインマーカーで線が引いてあり(かなり経年劣化で薄れているが)、その当時の自分が何に興味を持っていたとか、この曲はこの時にはすでに知っていたのかと! と驚く事ばかり。

The DoorsのアルバムStrange daysは、大学に入ってアルバムを買った時に初めて聞いたとばかり思っていた。だが浪人時代の1986年に、「午後のサウンド」で聞いていた事が分かった。
また平日午後4時から6時まで放送していた「軽音楽をあなたに」は、ずっと続いていたと思った。ところが番組表を見ると、1986年から「午後のサウンドに」変わっていた。そういや小嶋さちほがDJをやっている日を熱心に聴いていたよな。受験勉強しないで、こんな放送を一生懸命聞いていたという証拠がここに残っている。

もう残しておいても邪魔なだけと思いながらパラパラと紙面をめくり、意外や意外、資料として、読み物として、自分の歴史の裏付けとして、FM fanは非常に貴重だという事に気がついた。40年前の大量の古雑誌、保管するにも場所を食う。だがこうなりゃ家宝として保管しておこうと思う。

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