無数の氷が浮かぶ流氷の海 知床・斜里町 2021年1月24日
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大小の氷が浮かぶ流氷の海
人間社会がどれほど愚かでも、季節はきっちりと巡ってくる。今年も流氷の季節がやって来た。1月22日に更新した記事で、知床に流氷到来をお知らせした。今回はその続き。2日後に海はどう変化したのか、再び同じ場所に出掛けてみた。
2日経って海は、はたしてどうなったか? 撮影日時は24日の夕方16時。撮影場所は斜里町市街地にほど近い、通称前浜と呼ばれているところ。斜里自動車学校の直ぐ側だ。気温はマイナス5度程度(アメダスのデータより)。
観察が夕方になったのは、昼から女房と味噌作りをしていたから。これからはサバイバルの時代。自分で作れば安全で美味しい味噌を大量に備蓄できる。手前味噌、オレは強く勧めるよ。
それはさておき、海岸に到着して驚いた。大小さまざまの大きさの氷が、見渡す限りの海全体に広がっている。水玉模様ならず、氷玉模様だ。海岸からはるか沖合まで、星空のように数え切れないほどの小さな氷の塊が、海上をうめつくしている。どうりで静かだと思った。
初めて流氷をみるとしたら、こんな海のほうが流氷らしく見えるんじゃないかと思う。というのも、流氷の本体が接岸してしまえば、海は隙間なく白い氷で覆い尽くされてしまう。
そうなってしまえば、たば茫漠としただだっぴろい大氷原が目の前にあるだけなのだ。これが流氷だと分からなければ、「どうしてこんな広大な土地に誰も住んでいないの? 雪に覆われた畑なの?」と不思議に思うだけだろう。
見渡す限りの会場全てが氷で覆い尽くされるって想像出来る? それが流氷なのだ。
まあ、こんなふうに海の上に小さな氷が浮かんでいる状態であれば、ここが海であるとすぐにわかるってものだ。
波もほとんどなく静かな海
海面がこれだけの氷で覆われてしまえば、波もそう起きない。海岸線からせいぜい50m先の空間でだけ、氷混じりの小さな波が静かに押し寄せてくる。いつもの海岸なら、波の音でもっとうるさいのだが、シャラシャラシャラと、波の音と氷がぶつかる音が入り混じった音が響いている。
斜里の町は朝晩、年中海鳴りが響いている事が多い。特に冬は空気が乾燥するためか、まるで巨大土木工事でもしているかのように北の空から海鳴りが響いてくる。
ところが先日から、夜空がとても静まり返っていた。耳をそばだてると微かにな箕面とが聞こえる。そう、流氷が来ると波が消えるので、海鳴りが響かなくなるのだ。海が完全に流氷で覆い尽くされると、はるか数km先でオジロワシが羽ばたいている音まで聞こえてくる。完全な静寂が海岸を覆い尽くす。遠くできしむ氷のキューッという音まで聞こえてくるのだ。
前浜で流氷の海を360度撮影してみた
今回はその流氷の浜でぐるりと360度回って、動画を録ってみた。オレは昔から自分の声が好きじゃないので、こうした動画では話さないことにしていた。今回その禁を破り、簡単に景色の説明をしてみた。ああ、なんて変な声なんだろう。気の利いたコメントも思いつかないし、喋りのたどたどしい事。
これはこれは寒さで口が動かない訳では無いのだ。三叉神経痛が痛まないように、あまり口を開かないで喋っているせいでもある。だからなおさらの事滑舌が悪い。 ←これでも20年ほど前はアマチュア劇団で役者をやっていたことがある。
まあそんな事で、すごくへぼな動画なのを先にお詫びしておく。今後も少しはしゃべる動画に挑戦してみたいと思う。
今年は流氷の勢力が強そうだ
流氷情報センターの流氷速報を見ると、今年はこの時点で枝幸町から知床岬の先端までもう流氷がびっしりと入り込んでいる。今年は例年になく流氷の到来が速く、まだ氷の密度は低いとは云え広い範囲が氷で覆われている。
世界中で異常低温が記録されている2021年だが、今年の冬の冷え込みはかなり厳しそうだ。知床・斜里は流氷が来てからこそ本当の冬なのだ。
今朝の最低気温はマイナス23度だった。これから更に凍れがきつくなる事を覚悟せねば。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。