カラスとお友達になる 我が家に来る1本足のカラス

お友達になったカラス
お友達になったカラスのカタアシ君

我が家のニワトリを見に来るキツネ

我が家では、庭に作った鶏小屋でで2羽のニワトリを飼っていている(←ギャグではない)。その鶏小屋には金網で囲ったニワトリの遊び場を付けている。ニワトリが遊び場に出ると、ニワトリの姿が外からは丸見えになる。そうすると、時たま近所の子どもとがニワトリを見に遊びに来てくれる。だけどもニワトリを見に来てくれるのは、子供たちだけじゃない。ここんとこ、きっちりと毎日数回ニワトリを見に来てくれるお客さんがいる。それはキツネ。とてもキケンなお客さんだ。ヤツは自由だから、追い払っても何度でもやって来る。

ここ数年キツネはどんどん人の生活領域に入り込んできて、街中でキツネに遭遇する事なんか珍しい事じゃなくなってしまった。我が家の周辺もそれは同じことで、日に何度もキツネと顔を合わす。特に我が家はニワトリがいるので、それが奴らを惹きつけるようだ。キツネに可愛い我が家のニワトリが襲われないように注意は怠らないようにしていいる。

キツネは自由な生き物で、彼らの足に制約はない。オレもそんなキツネがいることは嫌じゃないのだが、奴らは人間が畑に埋めたものを掘り起こしたり、名刺代わりに糞やおしっこをして行くのが非常に嫌だ。また、鶏の遊び場に進入しようとして、畑に穴を掘ろうとする。こないだはお陰でアスパラ畑と、アピオス畑をほじくり返され、苗にかなりのダメージを与えられてしまった。
そんなキツネなのだが、最近我が家には頼もしい味方が付いてくれるようになった。

キツネ
これは3年前に庭に来ていたキツネ

カラスのカタアシ君

車庫の上のカラス
カラスのカタアシ君

鳥男というのは、大友克洋の漫画・アキラに登場する超能力者で、千里眼で敵の侵入を警告する。彼は目が見えないが、常に高い所に陣取り、不信な人間が大東京帝国に近づくと、「不審な人間が帝国に侵入しようとしている」等と警告を発する。敵の侵入に備えるのに、高い所からの見張りがいるのはとても心強いと思う。

つい先日オレが家の2階にいたときの事。1階で犬のカーシャがギャンギャンと吠え大騒ぎしている。何か来たようだ。と同時に、屋根に止まっているらしいカラスも、何故か同時にギャー、ギャーと大声で鳴いている。犬はワンワン、カラスはギャーギャーだ。誰かが来たのだろうかと思って、外に行くと、逃げて行くキツネの後ろ姿が目に留まった。犬はキツネが来て大騒ぎしていたのだ。だが、何故カラスまで? TVアンテナには、静まった1羽のカラスが止まっていた。

今年の春に女房が魚の頭などを、庭の塀の上等に置いていた。理由を聞くと、右足の先が無い片足のカラスが家の周りによく来ているという。不憫に思い少しでも栄養をつけられるようにと、そういったものを庭先に置いていたそうだ。片足のカラスはそうしたものを有難くついばんでいくという。どうやらその片足のカラスは、我が家周辺を縄張りとしているようだ。毎日彼を見かける。そのカラスだけは容易に識別できるので、いつしかカタアシ君と我が家では呼ぶようになった。

キツネが庭に来た時に、屋根の上ではカラスが騒いでいた。去って行くキツネを見て、その時ピーンと来た。きっとカタアシ君に違いないと。カタアシ君はカラスが来たことをオレに教えようとしていたのだ。カラスは何時も何処見晴らしのよい所にいて、我が家を見張ってくれているようだ。もちろんカラスが鶏を守ろうとしているのではないと思う。だけどもキツネが我が家の領土に侵入するのが気にくわないんだと思う。

カタアシ君は高い所で、オレ達がキツネを追い払っているのを見ていたんだと思う。それを日々見ていて、キツネがこの領土に入り込んではいけないものだと思ったのだろう。オレ達がキツネを見て騒ぎ立てるように、カタアシ君も同じように騒ぎ立てる様になったんじゃないのかな。

カタアシ君は鳥男

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1度そんな事が有ってから、注意深く観察してみた。昨日の昼間の事だが、昼食後にくつろいでいると、屋根の上でカラスが大きな声でギャーギャーと鳴き始めた。すると庭に、目つきの異常に鋭い、痩せたキツネがニワトリの遊び場を窺っている。カラスはなおギャーギャーと騒ぎ立てている。オレはすぐさま外に飛び出てキツネを追い払った。するとカラスは静かになり何処かに去って行った。その後ろ姿にオレは手を振り、「有り難う」と声をかける。

そしてお礼にと思い、煮干しを車庫の屋根に載せてあげた。すると何処で見ていたのか、すぐさま1羽のカラスが飛来して、その煮干しを食べようとする。カタアシが不自由で、ケンケンと歩くその姿は、間違いなくカタアシ君だった。カタアシ君は何時も我が家の庭を外敵の侵入を警戒してくれているのだ。

カタアシ君はそうやって、我が家にキツネが近づくのを教えてくれているのだ。まるで鳥男の様に。

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