人生初MRI検査体験記 そして脳腫瘍が発見される!

MRI画像 脳腫瘍発見

今回の記事は、あえてダラダラと長文にしてみた。どうせ殆どの人は最後まで読まないだろう。いや読まないように長文にしたのだ。面白くもない文章だが、気の長い人だけ付き合ってちょうだい。

人生初MRI検査を体験する事にした

11月6日に人生初のMRI検査を体験した。OMDやYMOはこれまでも長い付き合いなんだが、MRIなんてオレには全く関わり合いのないものだと思っていた。

細かいことは別の記事で書こうと思う。先週くらいから三叉神経痛の痛みに対する恐怖感が強くなりすぎて、ご飯が全く食べられない、もしくは少ししか食べられ無いという日が1週間ほど続いてしまった。もうオレは、何処かの収容所の囚人の様だ。肋は浮き、顔もすっかりとやせ衰え、自分でも幽鬼のようだと思う。暫くぶりにオレに遭った人は、今のオレの姿を見ればきっと、末期がんか何かだと思って、変な愛想笑いをするだろう。

そんな事で、オレとしては不本意だが、一時的に痛み止めに頼ることにした。痛みを何とかしない事には、この恐怖感に勝てそうもないからだ。怯懦と云われても仕方がない。そんな事で北見の日本赤十字病院を受診して、三叉神経痛を診断してもらうことにした。三叉神経痛の診断には、どうしても脳の検査が必要だ。その為MRI検査をすることになったのだ。

本来ならこんなものは受けたくないのだが、オレの三叉神経痛にはひょっとしたら別の原因があるのかも知れないということと、長年悩まされていた偏頭痛に脳の異常は関係ないことを確認してみようという目的もあった。

初めての脳神経外科の診察

脳神経外科なんて受診するのは初めての事だ。待合所で自分の番号が掲示板に表示されるのを、とてもドキドキしながら待つ。800番が表示された。オレの番が来た。

診察室のドアを開けると、にこやかなあまり背の高くない、30代半ばの医師が待っていた。髪の毛は多少癖が強く、そのまま額にクルリンとした前髪を垂らしていえ分け目はない。やや四角っぽいメタルフレームのメガネの中の目は、優しく微笑んでいた。
「初めまして。Oです。宜しくお願い致します。」
O医師から発せられた最初の言葉は、初めましてだった。

今まで診察を受けた中で、医者から初めましてなんて云われたのは初めての経験だ。その一言で、オレの緊張はかなり解けたと言える。待合所にいた時も、別室の診断室から聞こえてくる医師の声はとても優しく親しげに話しかける医師だった。脳神経外科と云うのは、こういう部署なのだろうか? 苦虫をかみ殺したような顔をした、内科医しか知らないものとしては、ちょっと驚きだった。

それはさておき、O医師にこれまでの経過を説明したあと、医師の診断が始まった。触られるのが怖いと言うのに、O医師は平気でオレの痛みが走る顔の左側をさする、押す。口の中に手を入れて、鼻の下の刺す痛みが出現する場所を押す。オレはとても冷や冷やものだった。だが幸いな事に痛みが走らない。そんな診断の後、幸運な事に空きがあると云う事で、MRI検査をそれほど待たずに受けられる事になった。

いよいよMRI検査 被爆するぞー

今度は放射線検査室前に場所を移す。ここは外来窓口と違い、ほとんど人もなく、人通りもないひっそりとした場所だった。誰もいない待合所はなんだか落ち着く。

オレの前にMRI検査を受けたのは、ストレッチャーで運ばれてきた、もうまともに会話も出来ない老人だった。こんな老人にこんな検査をする必要があるのだろうか?

やがて俺の順番がやってきた。更衣室で病院着に着替える。「パンツも脱いだほうが良いのかな?」とスタッフに聞くと「ええ、全部です」と応えるので全裸で靴下だけ履いた状態で病院着に着替える。どうやらスタッフは、俺の言うパンツはズボンのことと思ったらしい。他の人は下着のパンツは履いたままだったようだ。イギリス人とアメリカ人の会話のようだなと思った。

さあ次はオレがMRI室に入る番だ。MRI室の前には椅子が一脚だけおいてある。その椅子でまたしばらく待たされる。目の前には2.5m×1.8m程の銀色に光る鋼鉄のドアが閉まっている。そのドアの左端に長さ30cm程の鉄製のレバーがついている。レバーは水平になっている。これは扉が閉じている状態だ。押し下げられたらドアがあき、その時がオレがこの中に入る番だ。

鋼鉄のドアの向こうからは、くぐもったドンドン、ガガガがが、といった音が響いてくる。その音を聞いていると、なんだかライブハウスを思い出した。開場前にライブハウスの外で待つと、小屋の中からそんなくぐもった響きが聞こえてきたものだ。

やがて鋼鉄ドアのレバーが下に押し下げられて開かれた。先に検査していた人が出てきて更衣室に向かってゆく。ついにオレがMRI室に入る番だ。

部屋に入ると目の前には白とクリーム色の中間のような色をした、巨大なドーナツ型の機器が鎮座していた。そのドーナツ型の上部にはフィリップスというブランド名が書いてある。オレにはその名は、オーディオ、家電メーカーという認識しかなかったのだが、こんなものも作っていたんだね。今後フィリップスのオーディオ機器なんか絶対に買うもんかと思った。

さてそのフィリップスとかいてあるドーナツの穴から、長いテーブル台が突き出でている。その台の上に寝台がつけられてあり、これが患者をドーナツの穴の中に送り込む仕掛けになっているようだ。まずはオレはこの寝台に寝かされる。スタッフからは最後に念のために確認される。「閉所恐怖症は無いですね? 大きな音が続きますが平気ですね?」と。

オレはどちらも平気ですと応えると、まず手に緊急ブザーを握らされる「苦しくなったり、恐怖に襲われたりして、これ以上検査は無理だと思ったら、このブザーを押してください」と言われる。その言葉で、オレは逆にそんなに恐ろしい検査なのか?とちょっとビビる。

ヘッドレストに頭を載せると、昔懐かしの大型の耳全部を覆うヘッドフォンを装着される。そして今度は頭が動かないように、頭の両側に詰物を入れられた。これでもう頭は右にも左にも動かせない。ヘッドフォンの中からは、スタッフの声と、ジャズが聞こえてくる。ルイ・アームストロング? 演奏者はわからないが、軽快なトランペットのジャズだ。

そして最後に風呂場の椅子を思い出す、白いヘルメット状のもので頭を覆われた。スターウォーズエピソード3で、アナキンがダースベーダーのマスクを被せられるシーンが頭に浮かんだ。オレは風呂場の椅子を被せられたダースベーダーだ。目に当たる部分には四角い窓が空いていた。ダースベーダーのマスクじゃないから、赤いチカチカなんか見えない。

さあ検査が開始だ。ドーナツに俺の体が挿入されてゆく。ギューウンギューン。ドンドン。ジャワジャワジャジャワ。ヘッドフォンをしていてもとてもやかましい。ヒュンヒュンヒュンといっていたと思えば、再びギューン、ギューン。検査は20分ほどだったと思うが、その間ずっとその機器が動く音が、響きっぱなしだった。

やかましい機器の音、そしてその背後に流れる軽快なジャズ。正直つまらない時間だった。いっその事チャットモンチーの1stミニアルバム、Chatmonchy has comeでも流れていれば、心休まる時間になるのにと思った。

MRI検査は無事終了。再びパンツを履き、元の服に着替えて検査室を退出する。スタッフにお礼を言ってドアを閉める。次は再び脳神経外科窓口に移動。

類上皮腫が発見される オレの頭の中に脳腫瘍が見つかった

脳神経外科窓口につくと、次の診察患者は俺の番号になっていた。きっとさっきの検査のデータ待ちなんだろうと思う。程なく俺の番号が点灯したので、診察室に入室する。

先生の説明が始まる。「MRIのこの画像を見ると、三叉神経が血管に触れているということはありませんでした。」その後ちょっと間を置いて医師は話を続ける。すこし言いよどむ感じに俺は緊張する。「この脳幹周辺の左側に白い部分がありますね。これは類上皮腫です。簡単に言えば良性の脳腫瘍です」

オレは自分の頭の中に脳腫瘍があるという宣告を受けたにも関わらず、なんのショックも動揺もなく、その言葉をまるで他人の事を言われたかのごとく冷静に受け止めた。

そうオレの頭の中には脳腫瘍がある。良性とは言え、脳腫瘍と診断されたのだ。その類上皮腫が左の三叉神経をほとんど包み込むような状態になっているという。右側とは全く違った状態になっている。これが俺の三叉神経痛の原因だったのだ。

ついでなので医師に色々と聞いてみる。「私は長年の偏頭痛持ちなのですが、それに関わりそうな病変はありませんか?」「特にありませんね。動脈もとてもきれいで瘤もありません」その言葉で少し安堵した。俺の偏頭痛は脳腫瘍とは無関係だそうだ。

俺は早速この類上皮腫に名前をつけた。ルイちゃんと。50歳前後の男が、その名前を聞けば、あの人のことを思い出すだろう。あの人とは関係ない。類上皮腫だからルイちゃんだ。セクシー腫瘍と呼んでも良い。

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オレの三叉神経痛の原因は脳腫瘍

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MRI画像 赤く囲った部分が脳腫瘍

わざと長々と書いたが、そんな訳で俺の頭の中には脳腫瘍がある。これが三叉神経に触れて、顔の痛みを引き起こしていたのだ。三叉神経痛の原因にはいろいろあるが、脳腫瘍が原因と云うのは実は極く少数。マイナー好きのオレは、見事そんな少数の原因を引き当ててしまったと云うわけだ。オレのくじ運の強さに泣いちゃうね。

泣いてもいられないので、この類上皮腫についていろいろ調べてみると、この脳腫瘍どうも長い年月をかけて成長するものらしい。ということは、少なくとももう10年以上前から俺の頭の中に存在していたに違いない。いやひょっとすると生まれた時からかも。

というのもこの腫瘍は、胎児期の細胞の成れの果てが腫瘍化したものだという。真っ白に輝くことから、真珠腫という別名もあるとのことだ。

そんなことで、これからの俺の人生、今まで知らなかった同伴者とのらりくらりやり過ごすことになった。脳腫瘍なのでもう今までみたいな無理はしない。これからはのんびりと、スローに過ごそうと思う。

これ以上大きくなるなよ、悪さをするなよ、ルイちゃん。あまり悪さをすると切っちゃうよ。

これがフェイスブックで告知した重大発表です。最後まで呼んでくれた皆様ありがとうございます。

三叉神経痛で苦しんでいますが、それなりに元気です。ご心配なく。

香典の先払いは大歓迎です。これから治療などにいろいろと出費が重なると思いますので。あーあ。女房にはこれからいろいろと迷惑かけちゃうな。女房よりは長生きしないとな。私より先に死んで、こんな場所で路頭に迷わせないでと云われているんだ。

霊芝とか、カバノアナタケなんかを勝手に送り付けてきても、、、、、、

喜ばれます。

それではまた。

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ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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