犬の引っ張り癖とともに7年間 カーシャとお散歩楽しいな
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犬の引っ張り癖 散歩時に猛烈にオレを引っ張るカーシャ
カーシャが我が家にやってきたのは、彼女が1歳10ヶ月の時だった。前の飼い主の事情で里子に出され、我が家にやって来たのだ。
我が家の子になったからといって、直ぐに我が家の子になるわけじゃない。うちに馴染むのに長い時間がかかった。散歩に連れ出すと、早く元の家に帰らなきゃとでも思うのだろうか? 物凄い勢いでダッシュしようとする。
なので散歩と云うよりも、ダッシュしようとする犬を何とか制御しようとオレが引きずり回されると云った感じだった。カーシャも辛かったろう。だがオレにも非常に苦痛の時間だった。
7年経って、、、、
月日が流れ、今じゃすっかりカーシャの引っ張り癖は治った、、、、なんて事は無い。カーシャが左後ろ足指を怪我してしまっても、そんな状態でも散歩に出掛ければオレを引っ張って先に歩こうとする。オレもいろいろ試してみたんだけどね。結局だめだった。何かが彼女を駆り立てている。それが分からない。
オレの目には見えないのだが、カーシャの目先には何か魅力的なものが見えていて、それに必死に追いつこうとしているのか? そんな状態なので、オレがいくらコマンドを言おうが、お尻を小突いても、ちらとオレを見る程度だ。
ちょっとの間だけ、オレを斜め見して、数分後には再び引っ張りモードに入ってしまう。まるで見えない何かを追うように。纐纈でもヒラヒラとカーシャの目の前を飛んでいるんだろうか?
それでも、若い頃に比べれば、今じゃずいぶんマシになった。リードを短くもてばあまり強くは引っ張らない。若い頃なら首がもげるか、はたまたオレが大転倒するんじゃないか? というぐらいに引っ張られていたのに比べれば。
足の怪我のせいで引っ張り癖が治った
それがここ1ヶ月ほどは非常に大人しくオレに従って歩くようになった。それと云うのも足の怪我のせいだ。
ちっとも良くならない酷く腫れてしまった左足指が痛いのと、足を保護するために履かせている靴がカーシャの足の動きを悪くしている。
そして左モモにある大きな腫瘍も歩行の邪魔になっているのだろう。
そんな事があって、カーシャが我が家に来て7年目にして、初めてオレの歩く速度に合わせて歩くようになった。本来なら喜ぶべき事なのだが、こうした事情なのでちっともオレは嬉しくない。むしろ泣きたいくらいだ。そんな痛むだろう足なのに、カーシャは一生懸命歩こうとする。
もちろん、こんな足の状態だからあまり無理は出来ない。怪我をする前に比べて散歩の距離もずいぶん短くなってしまった。こんな怪我、病気を持ってしまったので仕方がない。といって傷をかばい過ぎて全く歩かないと云うのは、カーシャにとっては楽しみを奪われる事でもある。
その事は暫くの間散歩を自粛した後、散歩を再開した時のカーシャの顔つきではっきりと悟った。カーシャにとって散歩とは、犬の生きる目的そのものなのだ。
そんな事で、カーシャの足を気づかいつつ、今日も散歩に出掛ける。
おっと今日はちょっと調子が良いみたいだぞ。ズンズン何かを追うように、どんどんと先に進む。リードはその長さいっぱいまで伸ばしても、更に引っ張ろうとするカーシャ。オレは三叉神経痛が痛みのが怖くて、そんなにスピードが上げられないのに。
「カーシャ! そんなにひっぱると、とうちゃんは力むから顔に痛みが走るんだよ」
そんなオレの小声なんか、カーシャは全く無視だ。足は痛まないのか? もう、元気だった時と変わらない調子でオレを引っ張りまくるカーシャ。
以前は苦痛でしか無かったカーシャの引っ張り癖が、今のオレにはほほ笑ましく、嬉しくさえ思える。
そうだよカーシャ、もっともっとオレを引っ張れ。
一生懸命にオレを引っ張るカーシャに泪が出てきそうになる。
が、やはりずっと引っ張りまくられていると、だんだんとオレもイライラしてくる。そんなに引っ張ると、三叉神経痛が痛むじゃないかと。
でもまあ良いじゃないか。カーシャも日々苦痛に耐えているんだ。それに比べたらオレの痛みなんか、かすり傷みたいなもんだ。
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