サクランボが熟し、人間VSカラスVS雀の三つ巴が始まる オホーツクの初夏・7月
Table of Contents
庭のサクランボが熟し出す
先々週から黄色くなり始めた始めた我が庭のさくらんぼの実は、5日ほど前からオレンジ色に変わり始めた。
6月の半ばからここオホーツク地方は連日雨、そして低気温続きだった。オホーツクの気候帯は、寒帯になってしまったのだろうと思っていた。そんなふうに腐りかけていたら、この週末から急激に気温が上昇しだした。7月5日は25度を超えた。オホーツク人としては「猛暑日」になってしまった。注:オホーツク人にとって夏日とは20度以上を言う。
そんな訳で、急速にさくらんぼの登熟が進んでいる。昨日まで黄色、オレンジ色だったサクランボが急速に赤くなりつつある。といってよく見ると実の半分はまだオレンジ色だったりする。だからはやる気持ちを押さえて、あと数日は辛抱だ。
引っ越しとともに連れてきたサクランボの木
このサクランボの木は、7年前の引っ越しの際に前の家から連れてきたものだ。前の家ではお隣さんの庭に大きなサクランボの木があった。その木は毎年大量のサクランボを付けていた。そのこぼれ種が、その家の庭で芽吹き、気がつけば1m程に成長している。あまり日の当たらない裏庭でけなげにも、ひっそりと成長していたのだ。
そんなひょろひょろとして湾曲した、形の悪いサクランボの木だったが、このまま置いて行くのは忍びなく一緒に連れて来た。きっとあのまま放置していれば、きっと大家さんに引っこ抜かれていたろうと思う。
それから7年経った。今じゃそのサクランボの木は3mを越す高さに成長した。幹も随分と太くなった。5年前から実を付け出し、最初の年は2〜3粒しか獲れなかった。それから徐々に数を増やし、今年は数え切れないほどの実が実っている。気がつけば結構立派な若木に生長していた。
実を沢山付け出すと別の問題が
そんなことで、毎年毎年サクランボの実が増えてゆくのが楽しみで仕方なかった。ところが。ところがである。
そんな風にたくさんのサクランボの実をつけるようになると、別の問題が発生し始めた。これまで全く考えても居なかった、サクランボの実の競争相手が出没しだしたのだ。それは野鳥。
毎朝サクランボの実の熟し具合を楽しみに見ている。一昨日の朝も同じように朝カーテンを開けてサクランボの木を見ようとしたら、木からバサバサと羽音を立てて黒い影が飛び出していった。我が家周辺をテリトリーにしているカラスのハシブト君だった。カラスが我が家のサクランボに目をつけだしたのだ。
ライバルはカラスだけじゃない。我が家の庭にはスズメ用のエサ台を設置している。毎日くず米をエサ台に置いて、スズメたちに食べさせている。今の時期は巣立ったばかりの親子連れが大挙して押しかけ、エサ台はスズメが押し合いへし合いして賑やかで、見ているのも楽しい。
だが、スズメが我が庭で食べているのはくず米だけじゃなかった。エサ台の順番待ちをしているスズメは、すぐかたわらのサクランボの木の枝で自分の番を待っている。すると目の前にはオレンジ色の美味しそうな果実があるではないか。それを食べない訳はない。
そんなわけで、カラスが止まれる太い枝に付いているサクランボはカラスに。細い枝に付いているサクランボは雀に食べらてしまいそうだ。幸いすべてのサクランボが鳥にとって食べやすい位置にあるわけではない。だから根こそぎ食べられてしまうわけではない。
今日の朝、昨日まで木の中腹に赤赤と燃えるように輝いていた実はもうは無くなっている。これはきっとカラスに違いない。そういえば犬と散歩していると、この1週間、道路にはサクランボの種混じりのカラスの糞がそちこちに落ちている。我が家の周辺ではサクランボの木を庭木にしている家があちこちにある。散歩しているとあちこちにオレンジ、黄色の実を見かける。カラスはそんな実を見つけては、食べ歩いているに違いない。
他者を引きつけるのは大人になった証拠
これまで我が家のサクランボは稚すぎて、ごく少ない数の実しかつけていなかった。だからカラス達も、これまで全く無視していた木だったのだ。ところがここに来て急成長。今年は、どこの家のサクランボも実の成りが悪いという。そんな状況だから、なおさらのこと我が家のサクランボが目立ってしまう。
カラスに目をつけらるるということは、これは我が家のサクランボの木もようやっと一人前と認められた証拠だな。
そんなわけで、赤く熟したサクランボの実を巡って、人間とカラスと雀の三つ巴の戦いが始まった。まあこの世に自分のものなんか何一つ無いんだ。庭のサクランボの実が野鳥に2割食べられたって良いじゃないか。いや自然のおこぼれなんだ。人間の取り分が1/3だったとしても、充分だとおもう。
とは云うものの、昨日まであった赤々と熟した実が消えてしまうのは、何とも許しがたい。鳥が完熟のサクランボを食べて、人間は仕方なく半熟のサクランボを食べる。たまには真っ赤なのを食べさせてくれ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ