知床(斜里町)の浜に大量のイワシが打ち上げられる 2023年1月15日

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知床の浜に大量に打ち上げられイワシ

なに! 知床の浜に凍結したイワシのご遺体が漂着しているだと!

知人から斜里の前浜に大量のイワシが打ち上げられていると教えてもらった。しかも打ち上げられた段階で半分凍れているので、鮮度もとても良いと言う。

そんな話を聞いた事から、あたしは早速現地に向かってみたのだ。場所は斜里町の市街地から車で15分ほどの、以久科原生花園と呼ばれる地域の海岸。現場に着いてみると既に沢山の人が来てイワシを獲って行った形跡が残っていた。なので海岸への下り口から100m程の範囲に散らばる魚の数は少ない。

浜への下り口付近は魚はまばら

あたしはもう少し遠くの海岸までまで拾いに行くことにした。歩くに従って、あるはあるは浜の波打ち際には、数えきれないほどのイワシが打ち上げられている。その殆どは既に凍結している。こりゃあ鮮度抜群だ。

というのもこの日はオホーツク海沖合から強い北風が吹きつけ、体感的にはマイナス10度以下じゃないかと思うような低温なのだ。実際の外気温はマイナス5〜7度ぐらいだと思う。そんな気温の下なので凍結するのは当たり前だ。浜は天然の冷凍庫なのだ。おまけに強烈な北風が吹きつけてくる。

天然の冷凍庫の中、魚を拾い歩く

知床の浜に打ち上げられたイワシ 2023年1月15日

魚拾い用にラテックスの手袋をはめていたのだが、そんな薄い手袋では素手でいるのも同然。手があまりの寒さに痛い。そしてだんだんとマヒしてきた。北風がとにかく痛い。

というのももうすぐ知床には流氷の季節がやって来る。海上保安庁の流氷情報をみると、既に流氷は樺太島の東海岸を離れて北海道に向けてどんどんと伸びている状態じゃないか。今日現在紋別沖60km程まで近付いていると思う。網走沖に白い流氷の帯が見られるのもあと数日なのかもしれない。この北風に運ばれて。

そんなオホーツク海から吹きつける風は、つめたーい氷の海で磨きに磨かれて渡ってくる。だからナイフのように研ぎ澄まされた冷たさなのだ。そんな寒さの中、妻からの指令を忠実に執行するあたし。

海はシケて波は高い。そのため海岸の半ばまで魚が散乱している。だけどもそんな魚は砂まみれなので、後の処理を考えて波打ち際に近い魚を選んで歩く。ビニール袋片手に、大振りでおいしそうなイワシをひたすら拾い集めてゆく。

左手奥に知床連山が寒々しく写っている

あたしの他にも幼稚園児の娘と魚拾いに来た若いお父さんもいる。他にも沢山の人が拾いに来ていた。不思議なことに、こうした情報はすぐさま広く拡散されるのだ、田舎という場所は。

ビニール袋がいっぱいになったところで、任務終了。滞在時間は15分ほどだろうか。もう手は感覚はないわ、うっかり首巻きをしてこなかったので首はもげそうにシャッコイわもうワヤ。あたしは凍死寸前だ。

動画も撮影したので、こちらもどうぞ。

田舎の情報拡散速度の速さに驚く

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大量に拾ってきたイワシ

そんな生死の境をさまよいながらイワシを拾い集めて帰宅する。すると妻はその魚はすぐに冷蔵庫のパーシャル室に入れてと執拗に言う。いぶかしみながらもパーシャル室を開けると、なんとそこにも大量のイワシが納まっていた。

妻曰く、あたしが外出してすぐに義父がやってきて、「おう、浜にイワシが大量に打ち上がっていたから獲ってきたぞ。食べれや」といって持ってきたそうな。

父の話ではそのイワシは、斜里町の峰浜地区で拾ってきたものだと言う。というのも市街地近辺の海岸は砂浜なので、魚が砂まみれになる。峰浜(斜里町市街から車で20分ほどの地域)まで行けば、浜が砂利になるので、砂にまみれていない魚が拾えると言う。


と言う事は少なくとも15〜20kmぐらいの海岸線にイワシが打ち上がっている事になる。どれだけ大量の魚が押し寄せたのだろう。

イワシを調理する

そんなわけでこの日のわが家の夕食はイワシづくし。妻はオイルサーディーンもつくるという。そして天からの恵みに感謝を込めて、我が家の八咫烏達(ガーコちゃん)にもおすそ分けだ。

古代ヘブライの民は砂漠で飢えた時に、天からマナが降ってきたと言う。現代の知床では凍れたイワシが海に大量に打ち上げられた。天の恵みに、自然の恵みに感謝だ。

だけどもただ感謝ばかりしていられない。くしくも神奈川ではリュウグウノツカイが打ち上げられたというニューズを目にした。何もなければいいのだが、、、、。

とはいうものの2年前はやはりこの時期に、斜里の浜に大量のホタテが打ち上げられていた。この10年ほどの間にも大量のサンマが何度か打ち上がっている。気にしすぎなのかもしれない。

だが用心するに越した事はない。

国後島沿岸イワシ大量打ち上げ ロシア科学研究機関 急激な水温低下が主原因と指摘



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