流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)

sponsor link
雪の少ない2020年の知床 シャリウッドヒルにて

雪がとっても少ない2020年の冬

この文章を書いているのは2月3日の節分の夜。この日は夕方から雪がシンシンと降り始め、夜中にはワサワサと降り、降りやむ気配が無い。気温が低い為非常に軽く、ふわふわの雪がどんどんと降り積もって行く。この冬初めてのオホーツク地方らしい降り方だと思う。

今年の冬はちょっとおかしな冬で、まず雪の量が非常に少ない。気温も高めで推移している。おまけに雨なんかも降っちゃったりするもんだから(この20年に2度目か、3度目の厳冬期の雨だ)、大晦日の夕方には積雪が全く無くなってしまった。このまま雪の無い正月を迎えるのか? とちょっとあせったが、雨は雪に変わり無事いつも通りの白い正月を迎えた。

最近はエルニーニョも、ラ・ニーニャも、発生したとか、収束したとか全く報道されなくなった。実際にはどちらかがどうも発生していたらしい。だが最近はそんな事は全く言及される事が無く、なんでもかんでも地球温暖化だ。だからこの変な気象の本当の原因が分からない。何でも温暖化。たいがいの人はみんなその一言で納得している。そして何も考えない。

2月になっても流氷来らず

林をかけるラブラドール犬
道なき道を喜んで駆け回るカーシャ

閑話休題。そしてやはりというべきか、今年は流氷初日(目視で流氷が海上に見えた日)が、例年に比べてずいぶんと遅くなっている。2月3日現在で過去3番目の遅さを更新したらしい。

去年は1月25日には斜里の海岸に、流氷が接岸している。

勿論流氷初日が遅いのは、温暖化で流氷が無くなったからじゃなくて、気圧配置かなんかが影響して、北海道まで氷を押す勢いが弱いらしいのだ。流氷の勢力そのものは例年並なんだそうだが、肝心の北寄りの風が今年は弱く、それが流氷がまだやって来れない原因らしい。流氷は風に押されて流れてくるんだよ。

シャリウッド・ヒルをカーシャと散策

sponsor link

2月2日の夕方は、シャリウッドヒルにカーシャと散歩に行く。カーシャの散歩ついでに、丘の上からオホーツク海の流氷の様子を見ようと思ったのだ。シャリウッド・ヒルもさほど雪が積もっていない。せいぜい20cmもあれば厚い方だ。シャリウッド・ヒルでは、いつも通りにカーシャのリードを外してやる。カーシャはそんな雪原を嬉々として自由に走り回る。カーシャは道なき道を行くのがとっても大好きだ。

知床連山とラブラドール犬
背景に白く輝いているのは知床連山

やがて通称ハマナススロープと呼ばれる坂の頂きに到着。遠くには知床連山が白く光り輝いている。ここから見下ろすオホーツク海の景色が大好きだ。が、海上には氷なんか欠片も無い。水平線が白くなっているだろうと、目を幾ら凝らしても、やはりくっきりと青い水平線だ。間違いなく確かに流氷は遥か沖合のようだ。

例年だと斜里のウトロ・知床地区は、オホーツク海で一番最初に流氷がやって来る場所だ。今年も1月の中旬ぐらいにウトロで確認されている。が、その後氷は後退して遥か沖合に去ってしまった。再び流氷が接近してくる日は何時になるのか? ひょっとしたら今年は接岸しないかもしれない。オホーツク海が流氷に被われた景色が見られないなんて、そんな年が10数年に一度はあるのだ。毎年きっちりと来る訳じゃない。

オレが斜里に帰ってきてもう25年近くになる。その間1度も流氷が接岸しなかった事が少なくとも1度はあった。冬の1番寒い時期なのに、いつまでも暗い紺碧の海面が見えているのはちょっと奇異な風景だった。地球温暖化が喧しく云われだして、流氷は21世紀中には消滅するなんて騒ぎ立てる学者が現われた頃、4月の半ばまで流氷が居座った事もあった。

今年の流氷はいったいどうなるのか? もし流氷が接岸しなかったとしても、そんな年もたまにはあるもんだ。例年どおりなんて云う気象こそ滅多にないものだ。異常気象こそ正常。暑いから寒いを慣らしたものが「例年の気候」ってやつで、そんな気象こそまれなもんだ。常識こそ人を騙すものだ。

旧斜里町図書館の展望室に設置されたNHKの流氷カメラ。正直設置場所を間違えたとオレは思う。まあ、しょうがないか。

流氷カメラ

NHK札幌放送局で「流氷カメラ」の映像を配信

2020年 知床流氷通信一覧 
流氷の無い知床 2020の冬(2月4日) 
2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
知床は流氷シーズン到来(2月12日)
知床流氷通信5(2月17日)
知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)

created by Rinker
¥902 (2024/11/22 05:03:02時点 Amazon調べ-詳細)



ここまで読んで頂きありがとうございます。

私の記事が面白いと思ったら、ソーシャルメディア等でシェアしていただければ幸いです。 東倉カララ

コメントを残す