日ごとに出来る事が減ってくる 悪性腫瘍と闘病中ラブラドール犬・カーシャ 8歳と11カ月

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カーシャ 
ご機嫌で枯れ草の上を歩くカーシャ

昨日出来たことが、今日出来なくなる

今のカーシャは昨日できた事が、今日は出来なくなっている。昨日までは手羽肉を食べていた。だが今日は、妻がその小さな肉片をかみ砕いてあげなければ、食べなくなってしまった。しかもほんの少量だけ。もっと食べていいんだよ、と更に差し出すとそっぽを向いてしまう。

ラブラドール犬のカーシャ
今朝は甘酒を少し舐めました

喜んで食べていた煮干しも、顔の前にもって行くと横を向いてしまう。カーシャの食は、物凄く細くなってしまった。一日に手羽肉1〜2本とチキンスープがカップ一杯。これじゃまったく一日のカロリーに足りていないだろう。

散歩はたったの往復50m

先週は1ブロック歩けたカーシャ

日記を確認してみると、1ヶ月前は知床斜里駅まで散歩に出掛けていた。距離にして2〜3km程だろうか? 先週は家のまわり3ブロック程を1周出来た。昨日のカーシャは我が家から実父宅間往復の、わずか50m程の距離しか歩けなくなってしまった。

散歩の最後は、じいちゃんに担がれて帰宅です

一日の大半をぐったりと寝て過ごす

一日の大半をこうしてぐったりと寝て過ごすカーシャ

今のカーシャはほとんどの時間、ぐったりと横になって寝ているだけだ。時たま起きて水を飲みにゆく。えっちらおっちらと重い、だが本当はとても軽くなってしまった腰を起こして水を飲みに行く。

それでも宅配便業者が玄関のベルを鳴らすと、「ワウワウワウ!」といつも通りの吠え声をあげて飛び起き、玄関に向かってダッシュする。その時だけは全盛期のようなスピードで駆けて行く。どこにそんなエネルギーが残っているんだ? と感心してしまうが、きっとそんな風に走るたびに、体に蓄えられていたエネルギーが消費されてしまうんだろう。

といって走らせないわけにはいかない。これはカーシャが望んで行っている行為だからだ。カーシャが命の炎を燃やして行っているんだ。

カーシャの犬生の楽しみは、食べる事と、散歩だと思う。その楽しみも、この1カ月でだんだんと思うように出来なくなってきた。食べるのもちょっと、歩くのもちょっと。そのうち、その「ちょっと」も出来なくなってしまうだろう、そんな遠くない日に。

そんな彼女を見ていると、まるで日々勝手に少しずつボリュームが小さくなって行くラジオを聴いているように思える。

もうカーシャダンスも観られなくなってしまいました 普通に玄関でお出迎えするだけです

ああ、またこの時が来たんだな

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ニュージーランドでラブラドール犬達と暮らす、マーティン・ユウさんのブログが面白くて毎日読んでいる。先日の更新は、何年か前に亡くなったクロエちゃんの最後についての記事だった。その記事の中で、「クロエちゃんは何度も犬生を繰り返しているんだろう。老化してすべてが思うように動かなくなっても、『ああ、またこの時がやってきたのね』、とすべてを受入れているように見える」と書いてあった。

「心配しないで。これは自然なことなのよ」と、じいちゃんを元気づけるカーシャ

カーシャの場合は病気の為にこんな事になってしまった。4ヶ月前までは何不自由なく走り回り、食べまくっていたのに。徐々に腫瘍が大きく、そして沢山増えて行くに従って、体の自由が失われて行く。そんな辛いさ中でも、カーシャはそれを淡々と受入れ、今出来る事を精いっぱい行っている。

ひょっとするとカーシャも「ああ、またこの時がやってきたのね」と考えているに違いない。だんだん動かなくなるからだ。食欲も落ちてしまった。だがカーシャは何一つ不平を言わない。カーシャはそんな状況をただ黙って受け入れるだけ。それ毎度の事。自然なこと。

今日の早朝、寒かったのかカーシャがオレの布団の中に入ってきた。カーシャは直ぐに寝付き、そしてまもなく足をバタバタと布団の中で動かし始めた。夢を見ているようだ。夢の中では、足は痛くないし、体も怠くない。エネルギーに満ちた軽い体で、全速力で思う存分走り回っているはずだ。夢の中だったら、ーシャは空だって飛べるんだ。いや実際に飛べたんだけど。

肉体を持つっていうのは、ほんと不自由なもんだ。

カーシャ、あと26日で9歳の誕生日だよ。

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ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたらとっても有難いです。 

2 Responses to “日ごとに出来る事が減ってくる 悪性腫瘍と闘病中ラブラドール犬・カーシャ 8歳と11カ月”
  1. kuro says:
    • katzZK says:

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