「組織球肉腫・きわめて悪質な悪性腫瘍です」と獣医は言った カーシャが我が家にやって来て7年目

満面の笑顔のカーシャ ラブラドール犬

カーシャが我が家にやって来て7年が過ぎた

カーシャが我が家にやってきたのは、7年前の3月だった。その時のカーシャはまだ1歳10ヶ月だった。前の飼い主の事情で手放さなければならなくなり、我が家にやって来たのだ。

突然の生活の激変で、その当時のカーシャはとても困惑していただろうと思う。当時の写真を見ると、カーシャの顔はいつもこわばり、いつもおっかない顔をしていた。

そんなカーシャも今年の5月には9歳になる。7年も一緒に暮らして、もうすっかり我が家の娘になった。ラブラドール犬のような大型犬の9歳は、もう立派な老犬だ。焦げ茶色だった顔は、今はずいぶん白っぽくなってしまった。顔の表情がとても柔和になったカーシャが今ここにいる。

昨年11月、左後ろ足のツメを折ってしまった

手術後エリザベスカラーを付けられた犬

そんなカーシャが去年11月の終り、左後ろ足のツメを折ってしまった。雪上を散歩させていると、雪の上に血が少し滲んでいる。よく見てみるととツメが折れているじゃないか。その時はその後とても大げさな事になるなんて考えてもみなかった。靴を履かせたりして傷口の保護に努めたのだが。

カーシャのその怪我は、患部が固まったと思えば、何かにぶつけたりで再び出血する事を繰り返してしまった。そんな事もあり傷の治りがとても悪く、だんだんと化膿してしまったのか、足指が酷く腫れ出してしまった。

1月に動物病院でレントゲン検査を受ける。結果は骨髄炎を起こしている事が判明した。その時点で足指の先端の骨はほとんど溶けかけている状態だった。そのままでは次の骨にも影響がある事から、2月19日に残った骨の除去手術を行った。これでもうカーシャの足は元に戻ると思っていた。すぐにでも足指の腫れはひくと思っていた。だがそれはとても甘過ぎる見込みだった。

期待に反して手術後も何故か腫れはひかなかった。縫った傷口も再癒着しない。未だに血が滲んでいる。治りが悪いのだ。これはカーシャがアジソン病と言う病気を持っている事が影響しているんだろうと思っていた。

組織球肉腫 とても悪性度の高い腫瘍が検出された

2月の手術の際に、ついでに気になった背中や首回りのしこりの除去も同時に行った。今年に入り何故か体のあちこちに小さなしこりが出来ていたのだ。足の怪我を化膿させないために抗生物質をずーっと飲ませていたのだが、その服用とほぼ同時にそうした変なしこりが出てきたのだ。

それまではそんなものなんか無かったと言うのに。獣医師曰く、抗生物質とそのしこりには因果関係は無いと言う。たまたまの偶然だったか、それともそれ以前には気がつかなかっただけなのか?

そのしこりの病理検査の結果が3月3日に出た。結果は「組織球肉腫」という悪性腫瘍だと判明した。日本ではあまり症例の無い珍しい腫瘍で、そして最悪な事にとても悪性度が高いと云う。そんな結果をオレは何故か冷静に受け止めた。その時のオレは心がとても静かだった。だが今のほうがかなり感情が揺さぶられている。

組織球肉腫はその動物病院でも初めての症例で、獣医師も初めて目にする腫瘍の名前だったと云う。そして組織球肉腫は今現在日本では施す治療は無いと告げられた。

「効く抗がん剤はありません。手術をしても、次から次へと出てきます。」と

組織球肉腫とは免疫細胞が変化して自分を攻撃するもの

足に包帯が巻かれた犬 組織球肉腫になっちゃったかーしゃちゃん

病名を知ってから、オレはネットでいろいろ組織球肉腫について調べてみる。確かに日本では確立された治療法がない、まれな悪性腫瘍という事がよくわかった。

組織球肉腫とは何かが原因で、マクロファージやT細胞などの免疫細胞がガン化して起きる腫瘍だと言う。非常に転移率、腫瘍の成長スピードが速く、皮膚から内臓まで何処にでも出てくるという。とても悪性度が高いと言うのはそういう事だ。ああなんて事だ。

2ヶ月ほど散歩に出掛けられなかったカーシャ

犬のカーシャ ラブラドール犬 満面の笑顔の犬

カーシャは足の怪我に差し障ると言う事で、医者から手術後の抜糸まで散歩は控えた方が良いとアドバイスを受けていた。そんな事も有り1月半ばあたりから3月上旬まで、カーシャは全く散歩が出来なかった。

3月3日に病院で抜糸し、獣医師からようやっと普通に歩いても大丈夫だと云われる。カーシャにとって散歩はとても大事な行為だ。その大好きな散歩がこの2ヶ月全く出来なかった事あり、ここのところカーシャの表情がとても暗く、毎日寂しい顔をしていた。

さっそくその日の夕方、オレは忙しいさ中だけども残業もせずに帰宅し、カーシャと散歩に出掛けた。

家を出て直ぐの垣根でカーシャは立ち止まる。そこは1月頃していた極く短い散歩時のゴールだった。カーシャはそんな事も覚えている。オレはてっきり足が痛いのだろと思ってしまった。が、「もっと歩くよ」とオレが言うと、意外そうな顔をして更に先を進む。50m程歩き排水路横の道路で再びカーシャは立ち止まる。「散歩はここまでだよね?」とその顔は語っていた。

「いやもっと歩くよ」と更に歩き進もうとした時に、カーシャの表情は輝き、そしていつもの散歩のように、オレを引っ張り始めた。実に2ヶ月ぶりの本格的な散歩だ。カーシャはすぐに大興奮しはじめた。

家に帰ったカーシャの顔を見て、女房はとても驚いていた。「出掛ける前と顔の輝きが全然違う」と。

そう、犬の散歩はとっても大事な大事な行事なのだ。カーシャは顔いっぱいの笑顔で帰宅した。

今カーシャに出来る事を今すぐしてあげるだけ

まさかカーシャの体にそんなガンが出来るなんて全く考えてもいなかった。食事は気をつけていただけに、今我が夫婦は全くの混乱の中にいる。アジソン病と言う病気を持っているだけに、毎日不自然な合成ホルモン剤を飲み続けなければならない。獣医は否定するだろうが、こうした事もこのガンに影響しているんじゃないだろうか。

何にしても、ネットの情報を見る限り、この病気にかかった場合、カーシャに残された時間はそう長くないと言われている。とにかくどんどん増えてしまう腫瘍なのだ。5月に誕生日を迎えられないと言う事だってありうるんだ。

なので今出来る事を直ぐ実行するしかない。とにかく免疫力を上げる事がとにかく大事だ。そうしなければ腫瘍がどんどんと増えてしまう。じゃあ何が出来るのか? 抗がん剤と言う選択肢は始めから無い。なので私達夫婦は智慧を絞り、自然療法をコツコツと試してみるしかない。

免疫なんか無い。安楽死を考えるレベルです

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カーシャ ラブラドール犬
カーシャは敷物が大好き

獣医には「もうこの子には免疫力は期待出来ないから。アメリカだったら安楽死を考えるレベルです」と云われた。

だが、今現在カーシャは顔の表情も明るく、とても活発だ。足の傷はあいかわらず塞がってはいないけれども。本当に数ヶ月ももたないのか、カーシャの命は?

本当ならこんな事ブログで公表すべきでは無いのだろうと思う。カーシャの病気を曝すようで、最初は書く気が全く無かった。カーシャの病気については、ずっと黙っていようと思っていた。

だけども、今のこの気持ちを書き記す事で、悲嘆に沈んでしまいそうになる自分を奮い立たせようと思い立った。父ちゃんはカーシャのために出来る事を今すぐやるのだ、と。

嘆いていて何か良い事が起きるのか? 悲しめば悲しむほど、良い結果が訪れるのか? いやそんな事は起きる訳がない。なら嘆く事も悲しむ事もただの時間の浪費だ。そんな時間の無駄使いをせずに、今カーシャにしてあげられる事を最大限してあげるのだ。

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※それにしてもいろいろと出費が増大して大変。人付き合いなんかする余裕がありません。こんな事情ですのでどうぞ宜しくお願い致します。カーシャへのご支援大歓迎です。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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