知床に流氷の季節がやってきた 2022年2月
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オホーツク海を埋め尽くす流氷
今年も流氷の季節がやって来たぞ。斜里では昨年よりも1週間ほど遅い流氷の着岸だという。今年は風の影響なのか、オホーツク海の北部で1月の半ばには流氷が着岸していた。それから流氷帯はどんどんと南下して、1月の終りにやっと知床に到達した。
知床博物館の発表によると、今年の流氷初日(観察地点から海上に流氷が認められる事)は1月31日。流氷着岸(流氷が海岸に到着する事)が2月2日と発表されていた。
例年なら知床地域が他に先駆けて流氷着岸するんだけども、こんな風に流氷が来る事もあるんだな。
そんな訳で早速今年の流氷の初到来を見に行こうと、仕事を少しさぼって出掛けてみた。
そのまえに先週の海の様子を見てちょうだい
流氷来る前と来た時との比較に、先週のオホーツク海の様子を見てちょうだい。強烈な北風が吹き荒れるオホーツク海の動画を取っておいた。これが1月27日のオホーツク海。5日前の海だ。
そして5日後、2月2日の海がこれ
そしてこれが今日(2022年2月2日16時)の同じ場所の映像。5日前の荒れ狂う海がこんなになってしまった。これが同じ海とは思えないでしょ。
知床はヨーロッパならイタリアの地中海の街と同じ北緯
流氷は何か氷山のようなものと勘違いしている人がたまにいるけれども、これが流氷。厚さは最大で4〜5m程の棚状の氷がカラフトから流れてきてオホーツク海を覆い尽くすのだ。専門用語では海氷と呼ぶ。海面がこんな氷に覆われるのは北半球では北極海ぐらい。
オホーツク海の様な比較的南の海が、こんな風に氷で覆われるのはとても珍しい現象なのだ。北海道をそのままヨーロッパに持って行こうものなら、斜里なんて温暖な地中海に面したイタリアのジェノバと同じ北緯になる。
ロンドンなんか斜里よりもずっと北、カラフトと同じ北緯だというのにあんなに温かい。こちらはこんなに寒い。流氷というのが如何に特異な気象現象だという事が分ると思う。
千葉から嫁いできたアタシの妻は、寒い寒いと毎日ぼやいている。だけども先日流氷が来たのを見て、興奮してアタシにメールしてきた。流氷が来たのを喜ぶようになった時、それは知床の人間になった時。
それはさておき、知床はこれから本当に寒い季節になった。雲一つない快晴の日中なのに、流氷が来ると空気がとても痛い。冷たいじゃなく痛いのだ。その空気の冷たさで、ああ海は氷に覆われているなぁと感じるのだ。
そして朝、夜、街をとどろかす海鳴りが止み、知床の街はしばしの静寂に包まれる。人が居ない街だからなおさらその静けさが身に染みるよ。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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