2020年 知床流氷通信 その8 斜里港から(3月8日)
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3月は春の日差し
前回の知床流氷通信7を書いたのは2月29日。1週間経ってどうなったか再び斜里の海岸まで、犬のカーシャをお供に歩いてみる。さすが3月になると日差しも強く、気温は氷点下ながら、前日の吹雪きで積もった雪はどんどん溶け出している。道路はもうぐちゃぐちゃだ。
たった1週間で大きく変わったのが、風の冷たさだ。先週は頬に当たる風が痛かったのだが、今日はちょっと冷たい程度だ。これなら帽子無しでも平気だ。ほんのちょっとした変化なんだが、風に春の氣配を感じる。
真冬の斜里港に行ってみた
さて今週の流氷観察は、斜里港に行ってみた。斜里は鮭の水揚げが日本一の街として、知っている人には知られている町だ。そんな日本一の鮭の町の港だけあって、周辺には漁組の事務所や荷捌き所、生鮮市場、漁業者の会社の事務所や作業所などがこのあたりに集中している。ここは斜里駅から徒歩で10分ほどの場所だけども、観光客が来る場所では無いな。なんせ魚臭い。
この時期の知床は流氷で海が閉ざされる。港は正にオフシーズン。漁船は全て陸に上げられている。というのも港内の水面は完全に氷結しているからだ。沢山の漁船が整然と並んで、再び海が明けるのをを待っている。こ
の辺りの地域では、流氷が沖合に去り、漁船が航行出来るようになる事を海明けと呼んでいる。あと数週間からせいぜい1ヶ月ぐらいで、今年の海明けになるだろうと思う。ただ今年の流氷はかなり勢力が強い為、ひょっとすると4月を過ぎても海は流氷に覆われているかも知れない。
港内は完全結氷
さて船着き場にたどり着く。写真の通りで斜里港は完全に氷結している。ここまで完全に港内が氷結しているようだと、アザラシだってやって来られない。
じつはアザラシが遊んでいるのではないかと、ちょっと期待していた。海が流氷で閉ざされると、波も無くなり港内の海水はこんな風に完全に凍ってしまう。
今回の撮影場所港内の氷は流氷じゃないからとても滑らかな表面だ。滑ろうと思えばスケートも滑られそうだ。ただし氷の厚みが無いから無理だな。ここからだと防波堤があるので海がちょっとしか見えない。しょうがないので、ぬかる雪面をズボズボと歩き、さらに外側の防波堤まで移動してみる。
外防波堤から見えるオホーツク海は、やはり全面流氷に覆われていた。今日も知床連山がとてもキレイだ。遠くで雪山を崩すブルドーザーの音がうるさい。これがなければ完全な無音の世界になるのに。
子どものころから見慣れた景色だが、これまた斜里で育った人間には原風景なのだろう。見渡す限りの海全てを覆う、流氷のオホーツク海が。何だかとても落ち着く景色だ。今年はあと何日こんな光景が見られるのだろう。
明日から気温が上がり、予報通りだと弱い南風が吹く事になっている。流氷は離岸するんだろうな。
2020年 知床流氷通信一覧
・流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)
・2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
・冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
・知床は流氷シーズン到来(2月12日)
・知床流氷通信5(2月17日)
・知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
・知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
・知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
・知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
・知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
・2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
・2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
・2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
・2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)
・2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
・2020年 知床流氷通信16 斜里川西岸 海岸は知床彫刻の海美術館(3月29日)
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