2020年 知床流氷通信 その7(ぐらいだろう) 再び流氷接岸!(2月29日)

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流氷で埋め尽くされる斜里港と斜里岳

北海道は、週末外出自粛要請

北海道では、週末の外出自粛要請なんです。29日の朝、いつも通りに犬の散歩に出掛けると、道路では人っ子1人出会わない。まるで無人の街。ああ、みんな外出自粛しているんだねぇ〜〜、なんて思う訳が無い。人がいないのはいつもと一緒。この街には、前から人がいないんだwww その代わり車ばかり走り回っている。そしてパチンコ屋の駐車場はこんな日でも車でびっしりだ。

冬の散歩道
誰もいない街を犬と歩く

斜里港周辺の海岸に流氷を見に行く

閑話休題。外出自粛要請が出ようが今日(土曜日)の午前中は勤務。オレの週末は午後から始まる。幸い快晴と云う事もあって、午後の犬の散歩はやはり流氷観測を兼ねて出掛ける事にした。

今回は斜里港周辺まで足を伸ばしてみた。先週の前浜から500m程西側という事になる。観光客なんかが来る事は無い場所なんだが、知床斜里駅から徒歩10分ほどで、流氷観測に最適の場所にたどり着けるのだ。

もう3月目前という事もあり、日中の日差しはかなり暖かなのにも関わらず、頬に吹く風は痛い。まだまだ昼間でも帽子無しで外に出かけてはいけない季節だ。先週のオホーツク海は、濃緑青色の海が顔を出していたが、この風の様子だときっと海は流氷でびっしりだろう。ツルツル滑る道を、犬に引っ張られながら目的地を目ざす。

再び流氷接岸。白いオホーツク海。

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流氷原と知床連山
知床連山がキレイだ

斜里港に到着。砂浜は雪に覆われ、やはり海は一面氷に覆われている。足下から遥か遠く水平線(といって海は見えない)まで、見渡す限りただただ白い氷原が漠と広がっている。港内で重機が工事をしているのだが、その音さえなければ完全無音の世界が広がっている。

全く何も音が聞こえないと云うのも、なかなか奇妙な経験だと思う。いやよく耳を澄ませれば、氷と氷がこすれ合う軋み音が、時たま微かに聞こえてくる。全面氷に覆われて波が消えているようでも、やはり海は少しうねっているのだ。だから氷がきしむ。

流氷原と犬
沖合まで氷でびっしり

犬のカーシャはとっくの前にリードを外されて、好き放題、自由に駆け回っている。雪は日中の気温で少し解け、夜の酷寒で凍れるを繰り返した為、表面はラスクのように板状に硬くしまっている。そんな雪原に足跡を残しながら、犬はどんどんと勝手に先に進む。

海別岳と犬と流氷の海
これは海別岳

今日の知床半島は快晴。雲一つなく、氷原の先に知床連山がくっきりとそびえ立っている。斜里の人間には幼い頃から見慣れた知床連山の山並み。これはこの地に住む者の原風景だろう。海の向こうにそびえ立つ知床連山。そして南に振り返ると、壁のようにそびえる美しい斜里岳の姿。

流氷で埋め尽くされる斜里港と犬と斜里岳
手前にある流氷ですら1m程の厚みがある。奥に見えるのは斜里岳。ああなんて美しい

先週の日曜日は、南風で沖合にすっかり流されてしまった流氷だ。だがその数日後、強い北風が吹き、氷は再び接岸した。強風で接岸したせいか、流氷原は滑らかさがなく、所々氷の上に氷が折り重なっている。海面を薄く氷が覆っているように見えるが、そのように折り重なった氷を見ると、流氷の厚みがよくわかる。50cm〜1m、いやそれ以上の厚みの氷がこの海を覆っているのだ。

キツネがそんな氷の上を歩いている足跡が1本、沖に向かって続いている。

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