2020年 知床流氷通信 その6(おそらく) 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)

流氷は沖合にさってしまったオホーツク海
流氷はいったん沖合に去ってしまいました

流氷は南風で離岸する

今日(2020年02月23日)は休みと云う事もあり、やはり犬の散歩を兼ねて流氷を見に行った。2日ほど前から強い南風が吹き続き、流氷はきっと沖合に去ってしまっただろうと予想していた。前日に用事で網走に出掛けた歳、海岸沿の道路から見えるオホーツク海は、濃いオホーツクブルーというかグレーの海が沖合まで開けていいた。

オホーツク海 流氷はまだ見えず

そんな訳で今日は斜里の前浜まで散歩で行って見たのだ。場所は先日立ち寄ったトリムコースから更に北へ進む事数百メートル、そこは冬場は除雪の雪捨て場になっている所だ。

早速カーシャをリードから離すと、勝手にどんどん踏みつけられた雪の獣道を海に向かって進んでゆく。一寸だけ脳裏に不安が浮かぶ。『こいつはラブラドール犬だ。海を見たら条件反射で飛び込むかも知れない』。まあ、その時はその時だと思い、そのまま走らせてあげた。カーシャは、オレの静止をよく聞き分ける良い子だから大丈夫だろう。

冬の海岸、ラブラドール犬 流氷は見えない

やはり流氷なんか欠片しかない。海面は曇り空を映し、濃い緑青色で目の前に広がっている。先週はこの海面全てが白い氷で覆われていたのだ。わずか数日で流氷は遥か沖合に去ってしまった。

だが、新聞の流氷分布図を見ると、結構な厚みでオホーツク海全域を流氷は覆っている。流氷はわずか数km沖合に動いただけなんだろう。この海は流氷と海岸の間の、ちょっとの隙間だ。

というのも、これだけ風が強く吹いているにも関わらず、穏やかな波しか無いからだ。波と云うよりも、海面がわずかに揺らいでいる程度だった。

裁ち落としたような海岸線

知床の海岸 波打ち際 流氷は見えず
波打ち際はキレイに裁ち落とされたように雪の断崖が出来ている。数日前までは流氷がここに、シームレスに繋がっていたのだ。

浜辺は50cm程度の高さの氷の壁が、海岸線を縁取っている。まるで切り取ったようにキレイに氷の壁が出来ている。その壁の縁に立ち下を見下ろすと、そこはいきなり海になってしまっている。砂浜が無い。氷の壁の下部に、ちゃぷちゃぷと波が打ち付ける。カーシャも波打ち際を眺めている。冷たく何とも透き通ったとてもキレイなオホーツク海の海だ。

緑青の海の半ばには、取り残された白い氷の帯が所々に流れている。所々に氷のカタマリが海上に突き出したように浮かんでいる。

やはり水平線は白く

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水平線に流氷がうっすらと見える
これじゃさっぱり分からないだろうが、水平線が白い

さて、散歩はまだ続く。海岸を離れて、いつものシャリウッド・ヒル経由で帰る事にする。シャリウッド・ヒルから見るオホーツク海はどんな風景なのだろう? これだけ風が強ければ、水平線よりも向こうに流氷は去ってしまったのではと思っていた。が、高台から見下ろすオホーツク海の水平線は白く輝いていた。やはり流氷は水平線程度の沖合までしか去っていなかった。

今日はこれから風向きが北寄りに変わる。そうするとまた流氷は接岸するのかも知れない。風はまだまだ冷たい。流氷のシーズンはまだ終らないようにオレには思える。

コロナ騒ぎがどんどん拡大している北海道。網走・知床地域は今流氷観光シーズンまっただ中だ。さてそっちの騒ぎはこれからどうなるものだろうか。確かなのは、このウィルス騒動がさらに拡大しようが、恐ろしい被害を出そうが、来年も変わらず流氷がやって来る事だ。


ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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