知床は流氷シーズン到来(2月12日)
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オホーツク海を埋め尽くす流氷
昨日、2月11日の最高気温はマイナス3度だった。今日、12日の今時点の最高気温はプラスの4度。高気圧が来て、町中の雪が溶けかけている。
そんなさ中、先日接岸を果たした流氷を晴れた日に再び見に行った。こんなに気温が高いさ中ではあるが、ほぼ無風状態の気象条件。南風が吹けばあっさりと濃緑のオホーツク海が現われるのだが、風がなければ流氷はそのまま居座るのだ。
先日の記事の写真では、曇り空の為何が何だか分からなかったと思う。今日は快晴。残念ながら知床半島には雲がかかっているが、オホーツク海は快晴だ。遥か彼方まで海が流氷でびっしりと覆い尽くされる様がこれでよくわかると思う。
この海は静か過ぎる
画像の手前に砂浜が見えているが、砂浜から先は本来は海なのだ。だが氷が波打ち際まで埋め尽くしている。砂浜も凍れているから歩きやすい。遠くでカラスが鳴いているのがよく聞こえる。街の喧騒がこんな遠くにまで響いてきている。「静かだ、この街は静かすぎる」は何かが起きる前触れだと半村良さんは小説に書いていたが、こんなところでは何も起こらない。静かなのは、ただ単に海が氷で覆われて、波が無くなったからだ。
流氷に乗って遊んではいけません!
ここオホーツク地方では、小学生に配られる「冬休みの心得」にこんな一文が載っている。
「流氷の上に乗ってはいけない。」
「流氷の上で遊んではいけない」
そう、実は流氷はよく動く。強い南風が吹けばあっという間に沖合に去ってしまう。結構危険なのだ。それでもオレが子どものころは、こっそりと浜に集まり、流氷の上を散策したりして遊んだ。
オレよりも30歳も年上の爺さん方に云わせると、「止まるなよ」とお互い掛け声を駆けながら流氷原の沖を目ざし、そこでスケートを滑ったなんて話も聞く。流氷は一枚氷じゃないから、そんな事が出来るのか? と疑問にも思うのだが、昔も今も子どものする事は変わりがない。
目が覚めたら知床沖の海の上
30年程前には流氷を伝い歩き、真冬の知床半島先端に上陸しようと云う、北大の冒険者達がいた。一日でとてもたどり着ける距離じゃなく、彼らは流氷の上でテント泊をした。知床半島はウトロから先は殆どが切り立った崖で、浜なんか極くわずかだ。だから危険だがどうしても流氷の上にテントを貼るしかない。
運悪くその日の夜は南風が強く吹いた。翌朝目覚めた学生が見たのは、遥か遠くに見える知床半島の断崖絶壁。彼らは流氷ごと遥か沖合に流されてしまったのだ。
真冬のオホーツク海に浮かぶ流氷の上に、たった3人取り残された絶望感はどれほどのものだったろうと思う。当時は携帯電話なんか当たり前の時代じゃなかったから、アマチュア無線でSOSを発信したんだと思う。
彼らのSOSでやって来たヘリコプターに、彼らは無事救助された。だが一日そのまま黙って流氷の上に過ごせば、北風が吹き再び半島に接岸したと云う。プカプカとオホーツク海の沖合に浮かぶ流氷の上で一日我慢するなんて無理だわな。彼らは今いったい何をしているのだろうか?
■流氷に流されるおばあちゃん(これは海外の事例)
そんな事で流氷シーズン到来。流氷観光をするなら網走から知床地区がお勧めです。といって、コロナウィルス騒動は拡大する一方。オレも悲観論に傾いています。観光している場合では無いのかも。
2月13日追記:網走で流氷に乗った大学生流される
オレがこんな記事をかいたら、あまりにもタイミング良く、網走で大学生が流氷に乗り流された。
リンク:【北海道・網走】流氷に乗った大学生15m沖に流される「写真が撮りたかった…」
2020年 知床流氷通信一覧
・流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)
・2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
・冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
・知床は流氷シーズン到来(2月12日)
・知床流氷通信5(2月17日)
・知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
・知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
・知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
・知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
・知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
・2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
・2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
・2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
・2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)
・2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
・2020年 知床流氷通信16 斜里川西岸 海岸は知床彫刻の海美術館(3月29日)
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