2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸

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酷寒が続く2月

2月も中旬にさしかかると、それまで暖かだった今年の冬が嘘だったかのように、一転して寒い日々が続いている。真冬はこうでなくちゃ。だが2月だと云うのにいまだ流氷は来ていない(実際にはウトロ地区では1月の半ばに確認されている。が溶けてしまった)。斜里では水平線が白く輝く様が、まだ観察されていないのだ。

2月8日は日中の最高気温がマイナス8度ぐらい。そして9日は正午なのにも関わらず、気温はマイナス11度という恐ろしい寒さだった。この気温は、きっと流氷が来ているに違いない。と、その日の午後は犬とシャリウッド・ヒルに散歩に出掛けた。寒いだけならまだしも、北風が強く、時折雪が混じるブリザードの中を、泣きそうな思いで歩く。まるで映画八甲田山のようだ。

歩く事10分、そのたった10分が辛かった。やっとシャリウッド・ヒルに到着した。シャリウッド・ヒルとは何かとはもう説明しない。斜里役場裏の駐車場でカーシャをリードから離してあげる。一目散にシャリウッド・ヒルに向かって走るカーシャ。そんなカーシャの後ろ姿を撮影しながら追いかけ、オレもシャリウッド・ヒルに到着した。

2月9日流氷初日!

通称ハマナススロープと呼ばれるその斜面には、若い男女の先客がいてスノーボードを楽しんでいた。そしてはるか遠くのオホーツク海を望むと、水平線が白く輝いている。やはり流氷が来ている。きっと浜辺に行けば、ざくざくとして小さな氷、まるで蓮のような形状になった氷、蓮氷が砂浜に打ち付けられているに違いない。こんなに北風が強ければ、明日には流氷接岸もあり得る状況だ。流氷は風の力でそれぐらい早く動く。

そんな酷寒の景色を、流氷で輝く水平線を撮影しようと哀Podを取り出した。いざ撮影しようとすると画面は真っ黒になってしまう。バッテリー切れだ。買って3年目のオレの哀Podはフル充電でも30分程しか使用出来ない。ましてこんな寒い気温では更に起動時間が短くなってしまうのだ。という事で、残念ながら流氷初日の写真は撮影出来なかった。ああ、シャリウッド・ヒルに向かって駆けるカーシャなんか撮っている場合では無かった。

雪上を駆ける犬
ああ、こんな写真を取った為に、肝心の流氷の写真が撮れなかった

素晴らしい性能を維持する為に2年ごとに変え変えなければならないopple製品。これは21世紀のソニー・タイマーと言えよう。

それはさておき、ひょっとしたら今年は流氷は見られないかもしれないと懸念していた。この25年の間にそんな年が1、2度あった。そんな思いを抱いていただけに、一寸安心した。ただし、北風に吹き晒しの顔面は最初は痛かったが、気がつけばまったく無感覚になっていた。バッテリーが切れた真っ黒な液晶画面の哀Podに鼻水が数滴滴った。顔が麻痺して、鼻水が垂れているのも分からない。

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リンク:オホーツク海の流氷、ゆっくり到着 平年より12日遅れ

2月10日流氷接岸 10日13時追記

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知床流氷原
氷原ではありません。流氷で被われたオホーツク海です


この記事を公開して2時間後には追記です。公開してすぐ後悔です。

強烈な北風が暗示しているのは、流氷の接岸。そんな訳で昼食後、斜里町郊外の海岸に出向いてみた。海岸沿いの道路ッ縁(雪がなければゴミだらけだ。オレが幾ら拾っても切りが無い)に車を止めて浜辺まで歩いてみる。もう目の前には氷で埋め尽くされたオホーツク海が開けている。ちゃんと防寒着を着ていると言うのに、手袋をしていると言うのに、寒さが布地を突き抜けて体に刺さってくる。強烈な北風だ。

流氷原
海面は何一つ見えない。黒い筋(砂浜の砂)から向こうが海です。そうは見えないけど。


昨日の16時には、水平線が白く輝くだけのオホーツク海だったが、翌日の13時には海面全部が氷で被われていた。オホーツク海のはるか彼方から、全てのものを凍らせるような、激しい北風が吹きつける。演歌の歌詞のネタにすらならないこの寒さ。失恋しても真冬のオホーツク海に来てはいけない。絶対に後悔する。そんな感傷に浸れるような寒さでは無いのだ、ここは。

流氷原
氷で完全に覆い尽くされたオホーツク海。手前の黒い筋は砂浜です。波も海も無いけど波打ち際です。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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