オジロワシ、オオワシが目の前で見られる知床博物館 現在4羽保護飼育中
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街灯のオブジェだと思ったら天然記念物オオワシ
オジロワシ、オオワシというのは国の天然記念物になっている鳥で、レッドデータブック(絶滅危惧Ⅱ類)にも掲載されている絶滅が危惧される貴重な鳥だ。全世界で各々3万〜4万羽しか生息していないと云われている。
オオワシ、オジロワシは、ここ知床では毎年11月の終り頃に、シベリア方面から渡って来る。冬の間、町内のあちこちでその姿を見かける。貴重な鳥なんだけども、知床じゃ身近な鳥だ。
斜里川に架かる橋の街灯に、見慣れない大きな鳥のオブジェが設置されている事がある。そのオブジェを見ていると、いきなり首が動いて本物のオオワシだと云う事に気がつく。国道を網走に向かって走っていると、街灯にそんな天然記念物が、あたりまえに止っている。真冬の冷たい空に舞っている大型の鷲を見つけたら、尾羽に着目しよう。色が白いければオジロワシか、オオワシのどちらかに違いない。
そんな事で、この街に住んでいると、野性のオジロワシ、オオワシを見かけるなんて云う事は特に珍しい事では無い。だけども、こんな大きなワシを目の前でみる機会と云うのはあるようで無い。オオワシ、オジロワシは、羽を閉じた高さは90cm程にもなる。目の前で見るとかなりの大きさだ。羽根を広げようものなら、2.5mにもなるので、ちょっと恐怖を感じる。なんと云っても、その巨大な黄色いくちばしと、オレの腕を掴もうものなら引き裂さいてしまいそうな鋭いツメの脚はなかなかの迫力だ。
知床博物館ではオジロワシ、オオワシを保護飼育している
そんなオジロワシ、オオワシを安全に、すぐ目の前に見られる場所が、斜里町内にはある。それは斜里町立知床博物館。もちろんはく製の展示品では無く、ちゃんと生きた鷲が博物館では飼育されている。天然記念物だから普通は飼育など出来ないのだが、事故などで傷つき、もう野性には帰る事が出来なくなった個体を博物館では保護飼育している。
知床博物館の裏はちょっとした公園になっていて、展示を楽しんだ後ぶらぶらと散策するのに最適の場所になっている。そんな博物館の裏に、鷲類の保護施設が設置されている。写真のとおり巨大な檻に、現在はオジロワシ1羽、オオワシ3羽が、それぞれ隔離されて飼育されている。
日曜日の犬の散歩コースは、いつも決まって博物館周辺を散策している。鷲達を見てから帰るのが習慣だ。博物館では特にこの鷲をPRする事はしていないのだが、ここでしか見られない貴重な野性生物だ。是非とも知床観光で斜里町を訪れた方は、知床博物館にまで足を運んで、オジロワシ、オオワシを目の前で見て欲しいと思う。
知床博物館が開館したのは1978年。それ以来、ずっと同じ場所でオジロワシ、オオワシが保護飼育されている(博物館が開設される以前は、旧斜里町立図書館横に狭い鳥小屋があり、そこでオジロワシ等が保護されていた)。オレが子どもの頃から変わらない風景。30年ぐらい前までは、エゾタヌキも保護飼育していた。
オレの家から知床博物館までは2kmほどの距離がある。そんなに離れていても、時々鷲たちの鳴声が風に乗って聞こえてくる。「キョッ、キョッ、キョッ、キョッ」。鷲の鳴声が聞こえたら、それは寒い日の証拠。北風が鷲の声を運んできたのだ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ