エゾサンショウウオと初めて遭遇 知床博物館で5匹のエゾサンショウウオを飼育している

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エゾサンショウウオなんて見た事が無かった

子どものころからこの町にはエゾサンショウウオが居るとは聞いていた。だが52歳になる現在まで、これまで現物を見た事が無かった。斜里とはアイヌ語で湿地を意味する言葉から取られた地名。今の市街地はかって湿地だったのだろう。ひょっとすると大昔のこの街は、エゾサンショウウオなんか至る所に居たのかもしれない。

オレが子どもの頃にはもう、街の大半は埋め立てられ宅地化が進んでいた(それでも春先には湿地が出現した)。なので街に住む子どもはエゾサンショウウオなんて、見る機会が無かったのだ。カエルは沢山居たんだけどね。夏の夜になると、物凄い合唱が近くから遠くから響き渡っていたのを思い出す。

生まれて初めてエゾサンショウウオの実物を見る

エゾサンショウウオ
いくら見ていても見飽きない

そんなエゾサンショウウオに、つい先日初めて遭遇した。今現在、斜里町立知床博物館では、町民から持ち込まれたエゾサンショウウオを飼育している。たまたま博物館に用事で訪れた所、オレは初めてエゾサンショウウオと遭遇してしまった。50歳を過ぎたおっさんが目を輝かせて、エゾサンショウウオの水槽をうっとりとながめてしまったよ。昔、黒人の子どもが楽器店のトランペットを憧れの目で見つめるというCMがあったが、傍から見たら正にそんな様子だったろう。

今博物館で飼育しているのは、今年の夏ぐらいに町民から持ち込まれたものだと云う。町内で採取した卵から孵ったものらしい。全部で5匹ほどいる。色は灰色っぽく、迷彩の模様がキレイだ。黒々とした目がとてもカワイイ。また指先が丸い小さな手が何とも言えない愛らしさだ。生後半年だから、もうエラは無いものの、まだまだ成体ではなく幼体。大きさは一番大きな個体で7cm程。ジーッとしているかと思いきや、とつぜん体を翻して、水を泳ぎ出す。

ちなみにオオサンショウウオはこんなにデカイ!

いやちょっと待て、このサイズは反則だろ?オオサンショウウオの手の大きさが世界中で話題に : カラパイア

日本固有の生き物ってやつは、意外とけっこういるもんなんだけど、その中でもかなりインパクトのある部類に入るのが、この「オオサンショウウオ」っていうヤツだろう。 我が国の特別天然記念物であり、日本列島南西部の固有種であるこのオオサンショウウオ。だが実際に目にしたことのあるお友だちは少ないのでは? …

ぱくぱくタイム

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しばらくうっとりと見ていると、学芸員が夕食の時間だと云って、冷凍赤イトミミズを持ってきた。ピンセットでイトミミズをすくい上げ、エゾサンショウウオの前でヒラヒラさせる。するとジーッとしていたエゾサンショウウオが矢も留まらぬ早さでパクリと、イトミミズに食いつく。大きさの割に結構な大食いだ。食べる時の動作は素早い。

初めて見た、憧れのエゾサンショウウオ。もう何時間見ていても飽きが来ないぐらいだ。ネットで一寸調べてみると、札幌で12年間も飼育していたと云うブログの記事が見つかった。エゾサンショウウオはかなりの長生きだ。しかもそのエゾサンショウウオの死因は、夏場にうっかり暑い場所に放置してしまったからと云う。それがなければもっと生きていたようだ。暑さに弱く、寒さに強い生き物だ。

エゾサンショウウオは北海道全域で見られるそうだが、何故か釧路湿原だけはエゾサンショウウオが少ないと云う。その替わりキタサンショウウオが多く生息しているんだとか。これは釧路湿原の謎だ。

知床斜里にまで足を伸ばされた方は是非、このかわいいエゾサンショウウオを見に、知床博物館に立ち寄ってもらいたいと思う。

もしその時に、水槽に手をかけて、うっとりとエゾサンショウウオを見つめている、失敗したオバサンパーマみたいな髪形をしたおっさんがいたら、それはオレだ。


ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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