目標をもつ事の大切さ 鬱々としたオレの高校の3年間

sponsor link

目標が無かった高校時代の悲惨な成績票

目標なんてなかった高校生のオレ

ちょっと調べ物があって、段ボール箱に詰め込んでいた高校時代の有象無象の保存ブツを漁っていた。すると中から1年生の時の成績表が出てきた。こんなものはとっくの昔に捨ててしまったと思っていたのだが、律義に保管していた事に驚いた。

オレが通っていたのは、日本の辺境の地ではあるのだが、一応地元では進学校とみなされている高校だった。35年前は1学級45人定員。オレの時代は1学年6クラスあったので、1学年に生徒が270名いる事になる。この辺りでは大きな方の高校だった。

記憶ではまあまあの成績を取っていたと思っていたのだが、その通知表を開いてみてがく然とした。自分の成績の悪い事に。悪いのじゃなくて、非常に悪い事に。得意のはずの国語や英語の年間の成績は3。何故か保健が4なのが謎だ。社会は得意なはずだったのに2が付いている。

学級内の総合成績は40位。と云う事はオレより成績の悪い奴はたった5人しかいない事になる。学年順位は270人中234位。惨憺たる数字だ。これを見て噴き出してしまった。高校入学試験ではクラスでは5番目、全体でも36番目の順位だったという。見事な没落ぶり。見事な落ちこぼれぶりだ。

目標がなかった高校生の頃

鶏と犬
お前の人生の目標はなんだい?

これまでの人生を振り返って見て、一番鬱々として面白くなかった時代が高校時代だった。普通は人生で一番青春を謳歌して、のびのびと、毎日を溌剌と楽しんでいた時期に違いない。そんな時期をオレは、陰鬱に、つまらない退屈な日々として過ごしてしまった。これも性分だからしょうがないと思う。

50歳を超えた今だから、その当時を俯瞰して、どうしてそんな風に過ごしてしまったのかが判る。端的に言って、何も目標が無かったのだ。その一言につきる。小学校、中学校とちがい、高校生になると卒業後いったい自分はどうするかと言う事が常に付きまとう。煌々の3年間の間に、卒業後自分の身の振りをどうするのか決めなければならないのだ。

これまで自分をどうしたいか何て、真剣に突き詰めて考えた事が無かっただけに、高校に進学した時にどうしていいか判らなくなったのだ。自分は何になりたいのだろう? 何をしたいのだろう? 答えは何もない。

そりゃあ小学生の頃は動物園の飼育係になりたいとか、いろいろ夢は持っていたが、それはたんなる夢、思いつきであって、本当に何になりたいか何て真剣に考えていなかったのだ。

高校生になって突きつけられる、卒業後どうするのか? どうしたいのか? 日々流されて行く学校生活の中で、その事を意識に上らせないようにして振る舞っていても、常に付きまとっていた。結局の所望む事なんか何もない。進学校に進学したのも、別に大学に行きたいからと強く希望していたからじゃなかったのだ。

志望は道内国立、いや道外私立、国家公務員……。同級生は明確に目標を定めている。だけどもオレは何もなかった。そんな事もあり、目標がなければ勉強なんかに身が入るわけがないのだ。こんな勉強は何のためにしなきゃならない? 良い成績を取ったとしても、大学に進学すると決めている訳でもないから、それが意味を持つ訳でもない。

そんな事もあって、日々鬱々と、FMラジオで録音した早川義夫さんの歌や、Joy Division等の陰鬱な歌を、真っ暗な部屋で膝を抱えながら聴いていたのだ。

例え些細でも、目標は何もないよりは、ずっと良い

sponsor link
犬と猫
いつかこの猫さんとお友達になりたい

それでもこれではいかんと思った。高校3年生の1年間は就職か? 進学か? で、大きく揺れ動いた1年間だった。どっちつかずの1年間という方がより正確だろう。

大学に進学した所で、何かになりたい訳じゃない。といって就職するにしても、何かをやりたい訳じゃない。高校3年の2学期になってとりあえず進学も考えた。同級生の一言「こんな大学、名前さえ書ければ受かるベや」。そんな一言で、文系なのにも関わらず理系の大学を第一志望校にしてしまったり。

そんな迷走もただ一つ、何をやりたいかといった目標が全く無かったんだな。そのため無駄な迷走をして、親に随分迷惑を掛けたと思う。時間の流れは止まる事はなく、自分がどうしたいかがはっきり決まらないまま、高校の卒業式を迎えてしまう事になった。

結局の所1年間自宅で浪人して大学を受験する事にした。普段から政治の動向にはとても興味があった事から、政治学を学んでみたいと思ったのだ。普通の生徒は国家公務員になりたいからとか、政治家になりたいからとかで、政治学科を選ぶんだろう。オレにはもちろんそういった大きな目標なんかなかった。なので目の前の目標として、政治学を学ぼうと決めたようなものだ。英文科だって良かった。あの時は目の前の目標が必要だったんだ。

1年間浪人して、オレは東京六大学の1つに合格する事が出来た。卒業時の成績で、270人中140番程度だったけれども。自分でもがんばったと思うよ。ちなみに学部は2部だったんだけどね。

そんな訳で、何かしら目標を定める事は大切だ。大きな目標があればあるほど良いと思う。そんな目標が無いって云うんなら、まやかしでもいいとオレは思う。何もないよりは、ずっと良い。

高校1年生の、あまりにも酷い通知表を発見して、あの頃の自分に戻ってみた。52歳のおじさんになってしまったが、今は実現したい大きな目標がある。そこにたどり着くまでに随分時間がかかってしまった。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

私の記事が面白いと思ったら、ソーシャルメディア等でシェアしていただければ幸いです。

コメントを残す