温灸療法で犬のケア 癒しているはずの私達が、カーシャに癒される 病気の犬のケア2
Table of Contents
「テルミー」・温灸療法でカーシャを癒す
カーシャがこんな事になってしまったけれども、動揺している時間なんかもったいない。かかりつけの獣医師には「もうこの子には免疫なんかないのです」と云われてしまったが、それでも出来る事はあるはずだ。
そんな事でまず始めたのが温灸療法。ツイッターの友達から、ペットにお灸をすると良いよと云うアドバイスがあった。オレもはっとしたよ。すっかりそんな事を忘れていた。自分には台座灸をしているくせに、これまでカーシャにはそんな事をしてあげていなかった事に。
確かに犬には台座灸は難しい。だが見回してみると、我が家にはテルミーと云う温灸療法器具があるのだ。これは短い鉛筆ぐらいの長さの金属の筒の中に、テルミー線と呼ばれるモグサを固めたような棒に着火して、患部を暖める器具だ。
テルミー線に火をつけて、この金属容器に入れる。これを患部は勿論、経絡にリンパや背筋、おなか等をさすってあげれば、じんわりと暖まり心地の良いものだ。
癒すはずが、カーシャに癒されているオレ達
この温灸療法を毎日、夕食の1時間後にカーシャにやってあげるのが日課になった。女房がテルミーでカーシャをなでてあげる。その間オレは何をやっているかと言うと、頭や体、腎臓、肝臓、胸腺を中心に、体をなでて「手当て」してあげている。
この間カーシャはどうしているかと言うと、横になったまま黙ってされるままになっている。そのうちウトウトしはじめ、時々夢を見ている時がある。きっと心地良いのだろうと思う。そんなカーシャの顔を見ていると、オレも自然とニコニコ顔になるのだ。
悪性腫瘍が発覚してから、もう1週間以上カーシャとこんな時間を夫婦2人で共有している。カーシャに心地よい時間を過ごしてもらおうと思ってこんな事を行っている。だが心地良いのはカーシャだけじゃない。こうやってカーシャを手当てしてあげていると、実はオレ本人も癒されている事に気が付いたのだ。
カーシャを癒しているつもりが、カーシャに癒されている。こんな状況になりながらも、犬とはなんと愛情深い生き物なのだろうと思う。
こんなことで突然カーシャとの日々が、とても尊いものに変わってしまった。こんな事が無くても、実は毎日毎日が尊い日々だったのだ。そんな事にようやっと気がつかせられたオレ達。カーシャに深く感謝する。
ありがとうカーシャ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたらとっても有難いです。