知床観光船体験記 知床はシャチにとっての最後の聖域 4月末にホエールウォッチングでシャチを見る
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知床観光船でホエールウォッチング 羅臼は最高の場所
今年の4月に初めてホエール・ウォッチングを体験してきた。知床の羅臼側は鯨類観察に適した場所だという。斜里側でも運が良ければシャチが見られるらしいのだが、高確率の遭遇を期待するなら羅臼側になる。知床観光と云えば斜里を思い浮かべる人が多いだろうが、羅臼側も中々面白い。特にホエールウォッチングなら羅臼に行くべきだ。今回、ホエールウォッチング船に乗って、そう強く感じた。
羅臼では4〜5つ程の業者がホエールウォッチング船を出している。船の大きさが多少違うだけで、どの業者も同じ料金(大人8000円、子供4000円。航行時間2時間30分)なので、席の空いている業者を選べばいいと思う。
今回オレが利用したのはゴジラ岩観光の船・カムイワッカ号。乗船したのは4月28日だった。この日から2019年のホエールウォッチングの営業が始まった。営業初日で果たして、鯨に会えるのだろうか? シャチは出現するのか? ワクワクしながら、クルーズ船に乗船する。連休と云う事もあり船はほぼ満席だった。
4月の海上は冬のような寒さ
オホーツクの4月は雪が無いだけで、まだまだ寒い。まして海上なんかに行こうものなら、真冬の装備があった方が良い。オレは股引2枚、上も厚手のシャツにフリース、その上にコートを羽織って乗船した。
港を出発すると進行方向からは強い寒風が吹きつける。充分厚着していたものの、甲板に居ると辛いほど寒い。寒さに弱い人は、船室内でこのクルーズを楽しんだ方が良いと思う。羅臼の沖合は常に国後島の島影が目に入る。そう羅臼の沖合と云うのは、知床半島と国後島に挟まれた水道なのだ。
飽きるほどシャチを堪能
20分ほど寒さに耐えていると船が減速しはじめる。探す必要もないくらいに、あっさりとシャチの群れが出現した。水面上に数頭の背びれが見えている。
一頭見えたと思えば、その後ろにも又一頭、次々とシャチは現われて水面に潜って行く。
最初に出てきたのは4頭ほどの群。船上にはスピーカーが設置されていて、キャプテンの声が客席に良く聞こえるようになっている。「前のほうにも別の群がいますよ〜」。次々と現われるシャチの群れ。もう船上の客は大興奮。
シャチ達は船の行動が氣になるようで、船の周りをグルグルと周り、近づいては海上に頭を出してこちらの様子を横目で窺っている。シャチは体の横に目がついているから横目なのだ。波の音以外何にも聞こえない静かな海面で、ブファァアーーと云う音があちこちから聞こえてくる。シャチが呼吸孔から潮を噴きだす音だ。もう辺り一面シャチだらけ。中には子供のシャチもいて、可愛い姿を見せては、急いで潜水して行く。
見えなくなったなと思っていると、水面上になにか白い模様がゆっくりと見え始め、それが急速に浮上してくる。シャチのあの白い部分だ。船の直ぐ下を泳ぎ去り、反対側から浮上するシャチ。噴きだす潮に虹が架かる。
そんな訳で、沖合にとどまっている約2時間の間、何十頭ものシャチがずーっと船の周りを泳ぎ回ってくれていたのだ。もう終いには飽きるくらいに。
その日見られたのは、シャチだけだった。夏になるに従って、シャチの目撃回数は少なくなり、そのかわりマッコウクジラやナガスクジラなど、大型のクジラが見られるようになると云う。春から夏にかけてはシャチ、夏からは秋はクジラがシーズンと云う事だ。
羅臼はそんな訳で、鯨類の観察には最高の場所なのだ。斜里側の知床も見どころ沢山だが、少し足を伸ばして羅臼側に渡ればホエールウォッチングが楽しめる。ホエールウォッチングは、これからの知床観光の目玉になるとオレは思う。
こんな美しい生き物を、捕鯨で殺して食べちゃいけない、とオレは思うのだ。残念ながらその肉は高濃度のPCBや水銀が蓄積されている。そういう意味でも食べちゃいけないんだ。こんな海にしてしまって、クジラなど海洋生物に申し訳ないと強く思う。
世界中でシャチは絶滅の危機に
リンク:Extinction imminent: Last pod of killer whales in the U.K. will die out because toxic chemicals have made the females sterile イギリス周辺に棲む最後のシャチの群れは、この先消滅する事が確実な状況。その群には25年間子供が育たなかった。原因はPCB汚染か。
リンク:Collapsing salmon populations now causing population collapse of killer whales 鮭が激減し、その影響でシャチが減少している
リンク:West Coast orcas experiencing 100% infant mortality rate as radiation from Fukushima drifts across ocean アメリカ西海岸は、福島第一原発由来の放射性物質の影響で子供のシャチの致死率が高まっているようだ
リンク:シャチの息に異例の病原体、耐性菌も、経路不明
北アメリカ西岸ではシャチは絶滅の危機に。たった78頭しか居ないそうだ。
こう言った記事を読むと、シャチはどうやら世界中で絶滅の危機にあるようだ。シャチが見られるのは知床の羅臼沖だけなんて事にならないように、海の自然を大切にしたいと思うのだ。
リンク:知床 シャチ 謎の大集団を追え
これは大興奮のドキュメンタリーだった
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