最近、犬がよく笑うようになった カーシャが我が家にやって来て5年
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今日の記事は、その私の投稿した文章を元に、このブログ用に書き換えたものです。
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怖い犬
「うわぁ、この犬コワーイ」
カーシャが我が家に来たばかりの5年前のこと。カーシャと散歩していると、小さな子どもに遭遇しようものなら、必ずこう言われた。カーシャは確かに先代犬カララ程器量良しではない。ラブラドール犬にしてはちょっと変な顔だけども、オレは最初からとてもメンコイと思っているだけに、怖いなんて言われるのはとても心外だった。
カーシャは里犬として我が家に貰われてきた。子犬ではなく、1歳10ヶ月の成犬として我が家にやって来た。可愛い犬なのに、前の飼い主にはいろいろと事情が有ったのだろう。ここまで育てたのに手放すことになってしまったのだ。
カーシャは札幌で飼われていた犬だ。なのでオレは、はるばる札幌まで迎えに行った。本来なら何度か面会した上で、里犬を家に迎えるのが理想だ。だけども人間の都合で、カーシャはオレと出会ったその途端に、前の飼い主から引き離されて我が家にやって来ることになった。
カーシャにとって、前の家族から引き離され、新しい生活に突然組み入れられると云うのは、とても辛い経験、そしてストレスだったと思う。その頃のカーシャはとてもきつい顔をしていた。それはきっと、自分に起こった環境の激変を理解出来ずに、日々緊張状態に居たこともその原因なんだろうと思う。
その頃のカーシャは、いつも目がギラギラとしていた。目つきは鋭く、確かにとても怖い顔をしていた。なんだか野性のキツネのような顔つきだった。顔つきは怖かったものの、人を噛んだりとか、威嚇したりもしない、とても良い子ちゃんではあったのだが。そんな般若のような顔をした犬が、真っ正面から早足でやって来られたら、子どもでなくてもギョッとしたに違いない。
恐ろしい面相の犬が、うつむき加減の上目遣いで、トストストスとまるで突進するように正面からやってくる。そりゃあ子どもにとって怖いだろう。そんな事でカーシャがうちにやって来たばかりの頃は、子どもと遭遇する度に「この犬コワーイ」と度々言われてしまった。顔は怖くても、性格はとても控えめで、物分かりの良い、とても良い子のカーシャなのに……。そんなにも怖い怖いと言われる我が犬が、とても不敏でならなかった。
カワイイ犬
それから月日が流れて、今年でカーシャとの生活も5年目になった。今じゃもう完全に我が家の犬になったカーシャ。だけども、そう思えるようになるまでに3年近い日々が必要だった。カーシャと散歩していると、「わー、カワイイー」と、小さな女の子が笑顔で平気で近づいて来るようになったのはここ2年に起こった事。
「この犬撫でていい?」と小さな女の子が、初めて会う、しかも大型犬を恐れる事なく近づいて来る。数年前までは「この犬、コワーイ」と言われていたのに。
最近はカーシャと散歩していると、小さな子どもどころか、中高生の女子からも、すれ違いざまに「カワイイ」言われる事が度々ある。カーシャの父ちゃんとしては、これほど嬉しい事は無い。
カーシャが我が家にやって来て5年が経過した。当初は、とてもきつい顔をしていた犬が、今はとても柔和なかわいらしい顔に変わった。これは単に歳をとって、顔が緩んだだけじゃないと思う。カーシャも一生懸命に、この家族と、ここの生活に慣れ、オレ達を家族と認めたからだと思う。もう緊張する必要なんか無いんだと。
笑う犬
散歩中にカーシャの写真を撮ると、いつも笑顔でポーズをとってくれる。氣がついたら、カーシャは良く笑う犬になっていた。今日の散歩は、大好きなシャリウッド。ノーリードで、好き放題走り回っている。とてもニコニコしながら走り回っている。
家族になると云う事は、とても時間のかかるものなんだなぁ、とつくづく思う。
ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ