ホタテ獲り放題 斜里町の前浜に大量のホタテが打ち上がる 2020年12月

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ホタテが大量に打ち上がった斜里町の前浜 2020年12月
海岸線の遥か彼方まで、帯状にホタテが打ち上がった

斜里の海岸に、大しけでホタテが大量に打ち上げられる

オホーツク海はここのところ毎日大しけの日が続いているようだ。というのも夜更けに窓の外から聞こえる、海鳴りの音が尋常じゃないくらい大きいのだ。我が家はオホーツク海から5km程の内陸部にある。なのに夜中に聞こえる波濤の音は、もう目の前に海があるかのような大音量で聞こえる。

千葉育ちの女房は、何処か遠くで深夜に工事をしているのかと思ったと云う。東京や千葉で育ったものには、この海鳴りの音はそうした工事の音に聞こえるらしい。だが、この波濤の音はそんなやわな音じゃないのだ。もう海岸に100万の
ヘビメタバンドが集結して、一斉に演奏をしているぐらいの大音量なのだ。

さてそれほどのしけが続くと、斜里の前浜には大量のホタテが打ち上がる。1週間ほど前に父親が浜でホタテを拾ってきた。みるとバケツ一杯に、溢れんばかりのホタテ貝が詰め込まれている。貝が開き死んだものあるが、多くはまだ生きているもの。女房は調理をしていて、貝に指を挟まれて叫び声を上げていた。

そんなことで先週はホタテのバター焼き、ホタテフライ、ホタテのグラタンとホタテ三昧が続いた。拾ってきたもので美味しい食卓。こんな贅沢なことがあるだろうか。

斜里の前浜はホタテ拾い放題

ホタテが大量に打ち上がった斜里町の前浜 2020年12月

オホーツク地域でホタテと言えば、北見市常呂町が有名だ。先月のブラタモリでも取り上げられたぐらいで、ホタテと言えば常呂町。だが常呂ほどではないけれども、斜里でもホタテは獲られている。常呂の浜には8億のホタテがいるそうだが、斜里の浜にはどのぐらいの数のホタテがいるのだろう?

そんなホタテが、こうした大しけの時には前浜に打ち上げられる。打ち上げられたホタテは誰が拾ってもお咎め無しだ。なのでホタテが打ち上がると何処からとも無く、ホタテが我が家まで出回ってくるというわけだ。傘地蔵の法則は夏だけではないのだ。

寒い(シケなので強烈な北風が吹き付ける)、重い(たくさん拾えばそれだけ重い。貝付きだからより重い)思いをしながらも、肥料袋片手に浜にはホタテを拾い歩く人が出没する。

というオレは、実はホタテが浜に打ち上げられたところを今まで見たことがなかった。というのもオレが子供の頃から、釣りに出かけたオレの親父がしょっちゅうホタテ大量に拾ってくる。だから自分で実際に拾いに行ったことがないのだ。

おまけに寒さの厳しいこの季節、そんな海岸に行こうなんて気になれない。というかホタテはそれほど好きではない。なのでホタテが浜に打ち上げられた様は、今まで見たことがなかった。

斜里の前浜に打ち上げられたホタテを初めて見にゆく

ホタテが大量に打ち上がった斜里町の前浜 2020年12月
凄い大しけでホタテがどんどんと打ち上げられてゆく

オレは気まぐれなんで、こんな寒いさなかなにも関わらず、浜に打ち上げられたホタテを見てこようと思い立った。12月26日の午後、仕事の帰りに浜に立ち寄ってみる。

最初にホタテが打ち上がっているぞと聞いてからもう1週間になる。ひょっとしたらもう拾いつくされているかもしれないと思いながらも。

場所は今年のはじめに流氷観察に何度も訪れた以久科原生花園の海岸線だ。浜に到着してオレは目を疑った。浜一面にホタテ貝が散乱している。その殆どは貝が口を開けている。つまり死んでいる。累々と砂まみれの、数え切れないホタテ貝の帯びが、視界の果から果まで延々と続いている。

オレから300m程離れた場所には、頬かむりをしたおじさんがせっせとホタテ拾いをしている。

海から吹き付ける北風は強烈で、黙っているだけでも凍りつき、手足がしびれてくる。波は何重にも折り重なり、その高さは軽く5mは超えそうだ。恐ろしくしけた海だ。油断するとオレのすぐ足元まで、波が打ち寄せてくる。またiPodを海に落とすわけには行かない。このところオレのブログの収益はさっぱりなのだ。新しいiPodを買うなんていう余裕はもうない。

ホタテは波にさらわれ、打ち上げられ、浜の中ほどに帯状になって延々と連なっている。一体このホタテの帯は一体何キロ続いているのだろう。遥か彼方知床半島までこのホタテの帯が続いているようだ(実際には砂浜は峰浜地区までしか続いていない。それから先は岩礁、崖になっている)。

世界ゴミ遺産知床

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ホタテが大量に打ち上がった斜里町の前浜 2020年12月

ところが残念なことに、浜に打ち上げられているのは、ホタテだけじゃない。大量の漁網、そしてペットボトル、その他人間が捨てたゴミが、ホタテと一緒に打ち上げられている。斜里の町中もゴミだらけだが、浜もごみで溢れかえっている。知床は世界自然遺産で大事に保護されているように見えるが、これじゃ世界ゴミ遺産の町だ。

もちろん斜里町民が全てこのゴミを捨てた訳では無く、海流に乗って流れてきたゴミが大半だろう。プラゴミの海洋投棄はもう、国レベル、世界レベルで対処しないともうどうにもならない。

浜に打ち上げられたホタテは自然の恵みだが、大量に打ち上げられたゴミの帯は自然の嫌みだ。


ここまで読んで頂きありがとうございました。記事をシェアしていただけたら有難いです。 東倉カララ

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