8月中旬 1年で一番嫌いな季節。夏は終った 北海道の短い夏
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北海道の短い夏
一年で一番嫌いな季節が、お盆前後の2週間の期間だ。気持ち的には8月だからまだ夏だと思いたい。なのに実際、朝晩はもう寒いくらいでストーブを付けたくなる。夏だと思いたいのに夏じゃない。そう夏なんか終わってしまって、実際にはもう秋なんだ。そんな現実を受け入れたくない、そんな心の葛藤の季節が今。夏が終わってしまったなんて認めたくないのだ。
だからオレはこの時期がとても嫌いだ。9月になってしまえば、もうそんな無駄な抵抗も無くなり、今はもう秋〜♪と云う事実を受け入れてしまうのだが。現実歪曲の8月中旬、諦めの境地の9月。きっと子供の時の思いが未だに生きているんだろう。
子供の時の夏と云えば、とにかく日が暮れるまで外で遊んでいた。日が暮れる頃にようやく家に帰ると、「こんな遅くまでどこで遊んでたんだ!」と、今は亡き母親に良く怒られたものだ。
腕時計なんか持っていない子供時分だから、今が何時なんか判る訳がない。だから夕暮れが帰宅する時間。ということで夏至の頃は夜の7時半近くまで遊んでいた。
知床は日本の東の外れだから、夏至の頃は朝の3時にはもう昼間になって、夜の7時半でもまだ明るい。千葉生まれの女房は、こちらに来てその事を知って、えらく驚いていた。時間帯が違うと。その分、冬は早く夜がやって来る。
あのたった1週間程度の暑い日が、知床の夏
今年もそんな一年で一番嫌いな季節が巡ってきてしまった。残念な事に今年はもう夏は終ってしまったろう。7月半ばまで雨、異常低温が続き、朝晩はストーブに火を灯す日が多かった今年の7月。それでも7月後半からは突然暑くなり、30度を越す日も数日続いて、暑さにうんざりした。
まだまだ暑い日が続くのかなと覚悟していたら、8月入ると直ぐに秋の冷たい風が吹きはじめる。この風さえなければ、そこそこ夏っぽいのにね。夜の犬の散歩は、もう半ズボンじゃ寒過ぎる。やっぱり今年も夏なんか来なかったんだ。いや、あのたった1週間程度の暑い日が、知床の夏なんだよ。
それでも諦めきれずに、今吹いているこの涼やかな(いや寒い)風は、きっと、颱風の影響だよね、そうだよねと自分で言い聞かせている。だが心の片隅ではこれはもう秋の風なんだとつぶやいている。ああ、空がなんて高いんだろう。
うちの近所の庭にコスモスの花が、この風にたおやかに揺られている。
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