「葦の芸術原野祭」 知床・斜里町の旧斜里町立図書館(築92年)で芸術祭が開催される

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旧斜里町立図書館 玄関
旧図書館入り口

旧斜里町立図書館で「葦の芸術原野祭」が開催される

旧斜里町図書館は2014年にその役割を終えて閉館になった。閉館から7年、今回若者たちの力によって、新たな命が与えられる事になった。2021年8月14日から8月29日の日程で、「葦の芸術原野祭」が、旧斜里町図書館の建物を使って開催される。

フライヤーより、芸術祭開催への思いを引用してみよう。

「2021年8月14日(土)より、斜里町内外の有志による初めての試み『葦の芸術原野祭』を開催いたします。本企画は、オホーツク海にそびえる知床半島の麓、北海道斜里町の旧役場庁舎を会場とし、「作品展示」「舞台」「音楽」「参加型オープンプロジェクト」を通した人々の交流、地域文化の再発見と新たな価値の創出を目的としています。世界自然遺産として知られる知床半島には、かつてより人々の暮らしがあり、飼いよう漁猟を生業としたオホーツク文化、アイヌ文化、開拓の歴史など、厳しくも雄大な風土の中で培われた文化的側面があることを忘れてはなりません。本企画では、このような斜里に根付く声に耳を澄ましながら、知床の文化に関心を抱く今日の表現者の創作活動を通して、多角的な価値観の交錯と、新たな文化の耕作を目指します」

今年築92年目を迎えた建物は、保存するのか、取り壊しになってしまうのか、まだ明確な方針が決まっていない。活用するにしても、資金的要素等かなりハードルが高いのだ。

そんな建物に惹かれた若者たちが芸術祭を行う。やはり建物の命は使ってこそ輝くものなのだ。新たな命を吹き込んでくれた若者たちに感謝したいと思う。

ちなみに斜里とはアイヌ語の、シャリとかサルという言葉から付けられた地名だ。その意味は葦の生えるところ。この芸術祭の名前にはそういった由来がある。

葦の原野祭フライヤー
葦の原野祭のフライヤー

葦の芸術原野祭の内容

旧斜里町立図書館 1F
旧図書館1F

8月14かから旧図書館の館内は、アートの展示、音楽等のパフォーマンスの会場としても利用される。ライブパフォーマンス以外は無料なので、多くの人に来場してもらいたいと思う。

ごく簡単に、葦の芸術原野祭についてふれてみようと思う。

「おもいでうろうろプロジェクト」

おもいでうろうろプロジェクトは、1Fの空いた本棚に、広く一般から寄せられた思い出の品などを展示するプロジェクトだ。どんなものが展示されるかは、ホント未知数。オレも一つ展示物を提供しようと用意している。

「ライブパフォーマンス」

その1 「黒と白と幽霊たち」

「黒と白と幽霊たち」は今野裕一郎氏が主宰するバストリオと音楽家松本一哉氏によるパフォーマンス作品。松本氏の即興音楽と3人のパフォーマーにより演じられる舞台作品はいったいどんなものが生まれるのか楽しみ。テーマは「生と死」「不在」。

公演スケジュールは、
8月14日 18:30〜19:30
8月14日 13:30〜14:30
8月14日 18:30〜19:30
8月16日 18:30〜19:30
各回定員30名 開場は公演の30分前
料金は一般2000円 中学生以下1000円 未就学児無料

その2 松本一哉ソロライブ「独白と番」

波紋音という鉄製の音具などや非楽器をつかっての即興演奏が行われる。建物のきしむ音、お客さんの咳など、その空間の全ての音がパフォーマンスの一部になる、そんな演奏会。

公演スケジュールは、
8月17日 18:30〜19:30
8月18日 18:30〜19:30
8月19日 18:30〜19:30
8月20日 18:30〜19:30
8月21日 13:30〜14:30
8月21日 18:30〜19:30
8月21日 13:30〜14:30
8月22日 18:30〜19:30
各回定員30名 開場は公演の30分前
料金は一般2000円 中学生以下1000円 未就学児無料

「北の個体群」

旧斜里町立図書館 2F
旧図書館2F

2Fは知床をフィールドに表現活動を行っている作家にって作品展示が行われる。写真や音、テキスト、編み物など、異なる素材が交錯して響き合う空間とはどんなものなのかとても楽しみだ。

というのも、先日ちょっとの時間だが、旧図書館に足を運んでみたのだ。作家さん達が一生懸命、だけどものんびりと展示の制作に励んでいた。初日に間に合うのか? いやひょっとすると最後の日まで進化し続ける展示になるかもしれない。そんな感想をオレは抱いた。

どうせなら会期中に何度も足を運んでみるのも良いと思う。初日と最終日では全く違う展示になる可能性だってある。どうなるかは葦の芸術原野祭が始まって、そして終ってみるまで判らない。時々自動を思い出させる、とてもスリリングな芸術祭だ。

葦の原野祭フライヤー
葦の原野祭フライヤー裏面

最新情報は公式サイトやツイッターでどうぞ

最新の葦の芸術原野祭の情報は、公式サイトやツイッターで知ることが出来るので、詳しくはそちらを参照して欲しい。


リンク:葦の芸術原野祭公式サイト

リンク:葦の芸術原野祭、公式ツイッターアカウント

またこの芸術祭を開催するにあたってクラウドファンディングもおこなっている。各種グッズ、知床のじゃがいもなどのリターン有り。詳しくは下記のリンクを参照してちょうだい。


リンク:知床・斜里町で初開催の展覧会「葦の芸術原野祭」をご支援ください!

7年ぶりに立ち入った旧図書館は明るかった

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旧斜里町立図書館 外観

芸術祭の制作現場を覗きに、久しぶりに旧図書館に立ち入った。館内は建ち並ぶ本棚もなく、がらんとしていた。ところが以前の図書館の印象と大きく異なっていた。それは、意外なくらい館内は明るかったのだ。

かつて背の高い書架で薄暗かった館内は、いま広々と、そしてとても光りに満ちた明るい空間に生まれ変わっている。それはただ単に本棚が無くなったから明かりが入っただけではないとオレは思うのだ。

若き芸術家達のこの建物に対する敬意や、創作への情熱がこの建物に命を吹き込んで輝かせているのだとオレは思う。

築92年の古びたこの旧斜里図書館は、いままた新たな命を吹き込まれて蘇ろうとしている。ひょっとするとほんのの短い間の命かもしれない。知床の短い夏の短いイベント。その命の輝きをいっぱい感じ取ってもらって欲しいと思う。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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