春の知床の海 2022年5月23日知床・斜里町の以久科原生花園海岸
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春の知床の海に行ってきた
お客さんのところに行ったついでに、ちょっと足を伸ばして春の海を見に行った。今日は2022年5月23日。流氷の去った春の海を見に行くのも良いなと思い立って、斜里町市街から車で5分ほどのところにある、以久科原生花園の海岸に下り立ってみた。
気温は18度ぐらいだろうか。海から吹きつけてくる北向きの風は冷たいのだが、春の日差しは意外とじりじりと熱い。その為か、暖かくは無いというのにエゾハルゼミが大合唱していた。
今回も例によって動画撮影もしてみた。語りが上手でも無いのに、懲りずに中継しているのでよろしくなくても、暇つぶしに見てね。
エゾハルゼミが鳴く、エゾスカシユリが咲く
今年の流氷は3月の後半には消え去ってしまったと思う。つい2ヶ月前までは氷で覆われ尽くされていた海は、今はもうそんな痕跡も無い。それどころか海岸林ではエゾハルゼミが大合唱している。つい2ヶ月前に更新した流氷の海の記事と見比べると面白いと思う。
そしてて足下を見ると、エゾスカシユリが開花していた。そう、ここは以久科原生花園。人の手を経ずに出来上がった花園なのだ。他にも咲いている花は無いかと探してみると、ハマエンドウが紫の可憐な花をつけているのを見つけた。エンドウというだけあって実は食べられるらしいのだが、弱い毒を含むから沢山食べると下半身がマヒすると云う。食べないに越したことは無い。
しばし寄せては返す浪をぼーっとして見入ってしまった。この単調に見えるが、実は複雑な繰返しに心奪われてしまう。
残念ながら空はガスがかかり、はっきりとしない。彼方に見えるはずの知床連山は雲に覆われて何も見えない。きっとあの雲の下、引き揚げ船が作業をしているんだろう。
自然はただそこにあるだけだ。何があっても同じサイクルを繰り返すだけだ。知床の海、今から63年前、そして56年前にも沢山の人を飲み込んだ海。こんな穏やかな浪は一時なのだ。
215年のむかし、斜里の市街地の海岸に近い場所で陣屋をはった津軽藩士。真冬を超す事が出来ずに72名の武士が亡くなった。おだやかに繰り返す浪を見ながら、そんな人間の営みに思いをはせるのであった。それは知床の隠された顔なのだ。この地は呪われているのか? あまりにも多くの人が亡くなっている事に気がついた。
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