2020年 知床流氷通信16 斜里川西岸 海岸は知床彫刻の海美術館(3月29日)
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流氷は水平線上に
今年は流氷シーズンが長く、もう4月だと云うのに水平線は未だに白い筋(流氷)が輝いている。ちょっと強い北風が吹けば、すぐにでも氷が海岸を埋め尽くしそうだ。
水平線は真っ白に輝いているとは言え、海岸からそこまで数kmは離れているだろう。海上保安庁発表の流氷分布図を見ると、やはり網走沖から知床にかけての海域に流氷はびっしりだ。浜から見える海面は、陸地と流氷の間のほんの隙間みたいなものだ。
今回は犬連れで、斜里川西岸地域の浜辺に寄ってみた。斜里川を渡ろうとすると、海は暗緑青色の海面をのぞかせている。海と空を別け隔てる区切りのように、白い水平線が光っている。中間の海面には氷は全く浮かんでいない。
海岸は知床彫刻の海美術館
斜里川西岸の浜は、消波ブロックが網走方面にかけて延々と並べられている為景観が悪い。それでもブロックを越えて浜に降りてみると、目の前にはおびただしい数の、海岸に座礁した流氷の塊が波打ち際を埋め尽くしている。なんだか自然の彫刻の森のようだ。沖合に流氷がある為か、波がとても少なく穏やかな海だった。
視線の移動がせっかち過ぎた
河口には多数の釣客が
浜からの帰りは、斜里川の堤防上を歩いて斜里橋まで向かう。すると川には10数名の釣り師が、竿を振っている。釣り師1人1人が5〜10m程の間隔をあけているのは、別にコロナ対策では無いだろう。多くは胴付きを着用して腹まで水面に漬かりながら釣りをしている。
まだ雪解けが本格化していないので、それほど水量は多くなく、そして流速も緩やかなのでそんな釣りができるのだろう。そんな釣り師の1人に声を掛けて、何が釣れるのか聞いてみた。まだ若い30代ぐらい釣り師から返ってきた答えは、「アメマス」だという。残念ながら俺が見ている間は、1匹も釣り上げられた瞬間を見る事が出来なかった。
こんな河口でサクラマスを釣れば密漁で捕まってしまうのだが、アメマスは鮭の稚魚を食べると云う事から、捕獲をしても罰にはならないと云う。なるほど。アメマスは白身の鮭の仲間です。
流氷はまだ沖合に待機している。だけども確実に自然も人々も、春に向かって動き出している。我が家では今日、家の庭にでていたフキノトウを採って天ぷらにしていただいた。今年の初収穫だ。
2020年 知床流氷通信一覧
・流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)
・2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
・冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
・知床は流氷シーズン到来(2月12日)
・知床流氷通信5(2月17日)
・知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
・知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
・知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
・知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
・知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
・2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
・2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
・2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
・2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)
・2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
・2020年 知床流氷通信16 斜里川西岸 海岸は知床彫刻の海美術館(3月29日)
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