2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
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連日冷たい北風が吹く
ここ連日弱いながらも冷たい北風が吹いていた。日差しは既に春を先取りしていて暖かい。なのに頬に当たる風はとても冷たいのだ。先日海岸を見た時には、遥か水平線が微かに白く見える程度だったのだが、この寒さはひょっとすると、、、、。
そう思ったので、仕事帰りにちょっと斜里の浜辺に寄ってみた。場所は知床霊園のすぐ西側の海岸。冬期は雪捨て場になっているところだ。そこなら仕事の帰り道からちょっと足を伸ばすだけで行く事が出来る。
2020年 知床流氷通信一覧
・流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)
・2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
・冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
・知床は流氷シーズン到来(2月12日)
・知床流氷通信5(2月17日)
・知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
・知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
・知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
・知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
・知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
・2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
・2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
・2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
・2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)
・2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
再び流氷の海 春の息吹
期待していなかったのだが、海岸についてちょっと驚いた。氷が戻って来ていたのだ。確かに風の冷たさから、氷が来ているのかも知れないとは思っていたのだが。海岸で目にしたのは、浜から数100m程の間は海が大きく開け、そしておびただしいほどの流氷の塊が点在している自然が産み出す芸術作品。
波はすっかり消え、静まり返った浜。明鏡止水の風景だ。その風景を見ていると、自分の細胞一つ一つまで時間が停ってしまったように感じる。そんな時間の停ったような、静寂の世界の中にただ一つだけ生物の気配が聞こえる。それは流氷の間の狭い海面に浮かぶ、おびただしい数の水鳥たちの鳴き声だった。
生き物を拒むかのような冷たい氷の海に、水鳥たちの命の鼓動が響き渡る。その対照的な姿に、春の始まりをオレは感じるのだ。波紋のない鏡のような海に響く海鳥の鳴き声。春はもうすぐそこにやって来ている。
今回は動画を撮りました。 見よ! この静まり返ったオホーツクの海を!
今回は海に転落するようなへまはしなかった。何故ならもう波打ち際の氷はすっかり溶けてしまって、砂浜になっていたからだ。
それにしても、今年は流氷を長く楽しめる年だと云うのに、こんな事になって観光客が殆ど来ない。流氷観光船オーロラ号の営業ももう終ると云う。オーロラ号ではオレの同級生が勤務しているんだ。彼の悲嘆を思うと胸が痛い。
2020年 知床流氷通信一覧
・流氷の無い知床 2020の冬(2月4日)
・2020年、流氷来たる知床 2月10日流氷接岸
・冬のお散歩は遠くに流氷を望むため(2月12日)
・知床は流氷シーズン到来(2月12日)
・知床流氷通信5(2月17日)
・知床流氷通信6 濃青緑の海 流氷は沖合に(2月23日)
・知床流氷通信7 再び流氷接岸!(2月29日)
・知床流氷通信8 斜里港から(3月8日)
・知床流氷通信9 流氷に降る雨(3月10日)
・知床流氷通信10 低気圧襲来で流氷はこうなった(3月11日)
・2020年 知床流氷通信11 網走市郊外・北浜駅(3月14日)
・2020年 知床流氷通信12 以久科原生花園(3月16日)
・2020年 知床流氷通信13 流氷の海に転落? 以久科原生花園海岸(3月18日)
・2020年 知床流氷通信14 知床方面の海岸は流氷がまだ接岸中(3月21日)
・2020年 知床流氷通信15 静寂の海再び 春の流氷の海(3月25日)
・2020年 知床流氷通信16 斜里川西岸 海岸は知床彫刻の海美術館(3月29日)
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